消費税は社会保障の財源にはもっともふさわしくない税金

最近は多少マシになってきて、社会保障費の負担が増加するから消費税率のさらなるアップが必要だなどと戯言を言う人は少なくなってまいりました。(まだそんなアホも多少いるが・・・)
そもそも論として消費税が社会保障に使われているという話は嘘であり、どんぶり勘定の中で何に使われているかはわからないというのが実態です。
しかし、増税したくてたまらない財務省とその取り巻きが社会保障費の増加を訴えれば消費増税が正当化できると考えているだけなのです。
そして、仮に消費税が社会保障のために使われるとしても、消費税の性格からして社会保障に使われる税金としてはもっともふさわしくないというのは冷静に考えればわかる話です。
社会保障費の増大とその原因
日本において社会保障費が増加しているのは事実です。

(出所:社会実情データ図録)
そしてそれが少子高齢化によるものであることは明らかです。

(出所:社会実情データ図録)
日本は世界に先駆けて高齢化が進んでおり、2050年くらいまでは世界のトップを走り続けます。
そもそも社会保障の理念は何か
ところで今さらですが社会保障とはいったい何でしょうか。
厚生労働省によれば社会保障制度とは、
○疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他困窮の原因に対し、保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講じ、
○生活困窮に陥った者に対しては国家扶助によって最低限度を保障するとともに、公衆衛生および社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにすることをいう。
○生活困窮に陥った者に対しては国家扶助によって最低限度を保障するとともに、公衆衛生および社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにすることをいう。
となっています。
一言でいえば「相互扶助」の仕組みとなります。困った人がいれば国民皆で支え合うというのが社会保障の精神だといえるでしょう。
消費税は社会保障の財源にふさわしくない
消費税を社会保障の財源にあてるというのはどういうことか?
消費税はどんなに困窮している人からも容赦なく税金をしぼり取る残酷な税金です。働いていない幼気な子どものお小遣いからも税金を巻き上げるのですから冷酷非情と言わざるを得ません。
上記を踏まえれば消費税を相互扶助の精神に則った社会保障の財源とすることなどおかしいと思わない方がむしろおかしい。
社会保障の財源とすべきは困っていない人(裕福な人)から困っている人への所得移転であることは普通に考えればわかることです。
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消費増税と法人減税に社会保障費増加が利用される
財務省や経団連が消費税を増税したがるのは法人税を引き下げたいからにほかならない。
しかし、そんなことを表立って言えないから社会保障費の増加を消費増税正当化のためのレトリックに利用しているだけです。
消費税の増税と法人税の減税がセットになって行われてきたことは下の図を見れば明らかです。

(出所:財務省(一部加筆))
最後に
財務省の官僚は頭が切れることは間違いありません。言い換えればずる賢いといえます。
もっともらしい論理で、政治家やマスコミを丸め込み、巧みに国民を騙そうとするからたちが悪い。「民は愚かに保て」というエリート思想が根底に流れていることは間違いない。
彼らに騙されないようにするには庶民も知的武装をするほかありません。
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