インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人への敵対的TOB大失敗に終わる

ビル

アメリカの投資ファンド、スター・ウッド・キャピタル・グループがインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人(3298)に仕掛けた敵対的買収はやはり失敗に終わりました。

TOBを成立させる投資口数の10分の1以下しか応募は集まらず、当初の目論見は大きく外れてしまいました。





これまでの経緯


スター・ウッド・キャピタル・グループがインベスコへの敵対的買収を突如として発表したのは2021年4月頭のこと。

当時の投資口価格18,000円弱に対し、スター・ウッド側が提示したTOB価格は2万円でした。

その後、5月に入り、インベスコ側はグループ会社のインベスコ・インベストメンツ(バミューダ)リミテッドに対抗TOBを要請したのです。TOB価格はスター・ウッド側を同じ2万円でした。

まるでヤフー・オークション


スター・ウッド側は5月10日、即座にこれに対抗。買付価格を21,750円に吊り上げました。

インベスコ側も黙って見ているはずもなく、5月20日には22,500円で対抗したのです。

その後、スター・ウッド側は更なる値上げは行わず、なぜか公開買付期間を5月24日までから6月15日までに延ばしました。

時間稼ぎだと思われます。そして、スターウッド側は6月1日に22,500円と同じ値段に上げて対抗してきました。

またまたインベスコ側は22,750円に値上げ。もはやヤフー・オークション状態です。

そしてついに時間切れ。冒頭のごとく、スター・ウッド側は見事に?敗北することとなりました。

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どちらにせよ上場廃止の可能性大


それにしても残念なのは、敵対的TOBに対する対抗TOBが成立すればインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人が上場廃止となってしまうことです。

2021年6月17日現在、インベスコの投資口価格は22,570円。

20210617_3298.jpg

今後どうなるかは定かではありませんが、NISA口座でインベスコを所有する当方としては上場廃止となればNISA枠がポカリと空いて、非課税メリットを受けられなくなるのが残念至極です。

友好的TOBの期間は7月27日まで。

最後に


7月の下旬までに、市場で売却するか、TOBに応じるか、放置してスクイーズアウト(※)されるかどうかに賭けるかの3つの選択肢からどれか1つを選ばなくてはなりません。

こんな時期に現金化されても目ぼしい投資先を探すのは難しいのです。

考えるだけでめんどい・・・。

(※)スクイーズアウト
大口の投資主が少数投資主や特定の投資主から個別の承諾を得ることなく現金等を対価として投資口の全部を取得することにより、不動産投資法人から排除する手法のこと

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