アメリカ株一人勝ち。一方で日欧の停滞がひどい

取引所

世界は米中経済戦争が継続しており、世界は二極化し投資マネーもアメリカと中国に集中して流れ込んでいます。

とりわけ好調なのがアメリカ株市場。いったいこの流れは今後どうなるのでしょうか?






アメリカ株一人勝ちの図


アメリカ株が強い。世界全体の株式市場の時価総額に占める割合はなんと44%にまで達しています。

ちなみに2021年のIMFの予想に基づく名目GDPの比率は以下のようになっています。

20210728GDP.jpg
(データ出所:IMF)

GDPの比率は24%程度ですが、株式の時価総額ではその2倍近くを占めています。

これは、アメリカの株式市場が世界的に見て発達し洗練されている、世界のお金が集まりやすい、などといったポジティブな理由も考えられますが、一方で以下のようなネガティブな見方もできます。

・企業の利益が労働者に分配されず、株主ばかりが優遇されている

いずれにせよ、アメリカの株高は複合的な要因が絡まり合っていると考えられます。

昨今のアメリカ株式市場好調の源泉


2010年のアメリカ株の比率は30.7%と今よりも10%以上低い。新興国が成長している中にあってもアメリカ株式市場はそれ以上に規模を拡大しています。

その源泉となっているのがGAFAに代表されるIT企業です。

グーグルやYouTubeを運営しているアルファベット社は4月から6月の四半期の純利益が2兆円を超えて過去最高を記録しました。

トヨタの1年間の純利益を3か月で稼ぎ出すという凄さです。

また、米金融市場全体の動きとして、FRBによる利上げがまだまだ先になるとの見方が大勢であり、引き続き低金利が続くと見た投資家の資金が株式市場に向かっています。

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【観察】YouTubeの言論弾圧


そのアルファベットを取り巻く話題としてここ最近、ワクチンに対して否定的な論評をする動画が勝手にYouTubeに削除されるという言論統制疑惑があります。

例えば以下の動画はどうなることか?

1週間もすれば削除されてしまっていると推測します。忘れていなければ1週間後に確かめてご報告いたしましょう。



日本の株式時価総額と比べると悲しくなる


アメリカ株式市場の時価総額は2021年7月現在で約5500兆円となっています。

一方で日本はどうでしょうか。

6月末現在で、約740兆円となっており、アメリカの7分の1以下の水準です。

人口を比べると日本はアメリカの5分の2弱ですから日本の株式市場の規模が小さくなっていることがわかります。危惧を覚えるのは日本には世界を席巻するようなIT企業が見当たらないこと。

自動車産業に大きく依存する中、今後の電動化により日本の自動車メーカーの未来も怪しくなってきました。このままでは日本は衰退の一歩を辿ることになります。

存在感を高める中国はどうか


2028年には名目GDPでもアメリカを追い越すと見られている巨大国家中国はどうでしょうか。

アメリカの締め付けにあいながらも株式時価総額は微増傾向にあります。ところで最近中国株は急落しています。

中国破綻ビジネス論者がまた中国破綻論を展開しそうな感じですがそう簡単にはいかないでしょう。

ところで昨今、アメリカ市場へ上場した中国企業への中国当局の規制がひどくなっていることから、それを嫌って海外の投資家は中国市場に直接投資をしています。

この急落時にせっせと仕込んでいる人もいることでしょう。

悲惨なユーロ圏


日本の株式市場以上に存在感をなくしているのがユーロ圏です。

時価総額は確実な右肩下がり傾向を示しています。

要因は以下のようなものが考えられます。

・共通通貨ユーロによる経済運営の綻び
・ドイツ一人勝ちにより周辺諸国が弱体化
・過剰な環境保護などによる企業負担の増加


などです。

ユーロ圏は慢性的な低成長に悩まされています。

20210728GDP2.jpg
(出所:経済産業省)

そして株式市場からもそっぽを向かれています。これは日本にもいえることであり、対岸の火事ではありません。

最後に


世界は今後、経済的にも軍事的にもますますアメリカと中国に支配されていくことでしょう。金融市場でも同じことが起こるはずです。

そして、暴落があれば日欧も付き合わされることになる。上げには付き合わないが下げには付き合うという悲しさなのです。

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