FIRE大流行。しかし、皆が成功すれば結局また働かざるを得ず

最近やたらと目にするのが「FIRE」という言葉。
Financial Independence,Retire Early の略だそうで、経済的に自立し、早くリタイアすることを意味します。
簡単にいえば、アーリーリタイアです。
若い世代でFIREを目指し、生活を切り詰めて投資に回し、早くリタイアしたいという人が増えているのですが、そんなうまい話がそうそう転がっているはずもなく・・・。
今さらながらFIREとは
FIREはアメリカで生まれた言葉です。firedがクビになるという意味なので、それを皮肉ったのかは不明です。
FIREは自分や家族の生活を第一に考えるミレニアム世代に強い支持を受けています。
ミレニアム世代とは1980年代初頭から1990年代中盤に生まれた世代で、現在20代半ばから40歳くらいまでの人たちを指しています。
なぜFIRE?
ではなぜミレニアム世代はFIREを目指すのでしょうか。
これにはITの発展が深くかかわっているというのが個人的見解です。
1980年代に生まれた人は、思春期にはすでにインターネットが存在していました。IT産業が世を席巻し、重厚長大の産業は相対的に衰退してしまいました。
重厚長大の産業で雇用されている人はリタイアしても自分で何かできるわけではありません。
あくまでも巨大組織、巨大資本の中で歯車の一つに過ぎず、自分だけで同じように重厚長大産業を創り出すことはほぼ不可能といってよいでしょう。
実際問題、製造業と非製造業を比較した場合、製造業のほうが継続雇用者の比率が高いことがわかります。

(出所:社会実情データ図録)
製造業に従事する人は独立志向が低いと考えられます。
![]() | 価格:1,210円 |

デジタルネイティブの思考回路
ところがインターネットの登場が社会を変えました。
パソコン一つで事業を興したり、社会を動かすことすら可能な世の中となりました。IT産業に勤めている人は工場に勤めている人ほど歯車意識を持っていないのではないでしょうか。
また歯車であることに我慢できないといってもよい。
早いところ歯車であることを止めたい、そして会社を辞めても何か別のことができるというわけでFIREを目指す人が多くなっていると推測します。
また、もう一つの理由はミレニアム世代はお金にシビアであることです。
とりわけ日本はデフレ真っ盛りの時代に育った世代であり、奨学金を借りて大学に通った人も多いはず。
お金の苦労からなるべく早く解放されたいという潜在的欲求がとりわけ強いと考えられます。
現実問題いくら必要?
ところでFIREするにはいったいどの程度の資産が必要なのでしょうか?
ある試算によれば、35歳独身で1億2千万円、50歳独身で6200万円、50歳妻子ありで9900万円とのことです。
未婚で、コツコツと資産運用に励めば現実味がある数字だといえるでしょう。
昨今の未婚率の増加はデフレによる非正規雇用の増加が第一要因と考えられますが、FIREもまた一つの要因となっているものと考えます。

(出所:社会実情データ図録)
世の中うまい話はなかなかない
しかしながら、FIREに成功する人はほんの一握りだというのが現実でしょう。
本当に多くの人がFIREに成功すれば物価が上昇し、当初の計算が狂って手持ち資金が足りなくなり、再び働かざるを得なくなることは容易に想像がつきます。
なぜなら働く人が減ってしまえば賃金上昇圧力がかかりコストプッシュインフレが起きるからです。貯めたお金の価値が目減りして計算が狂うというわけです。
デフレに慣れ切った若い世代にはインフレは想像しにくいとは思いますが、長い歴史の中ではインフレ期とデフレ期があるのもまた事実です。
FIRE・・・。
その目的は人それぞれでしょう。FIREを実現可能とする一つの手段が株式投資であることは間違いありません。なぜなら株式投資はインフレヘッジとして大変有効な手段だからです。
【関連記事】
K字経済。勝ち組と負け組がますます鮮明に
個人投資家が失敗する理由はほとんどこれ・・・
アナリストがカバーしていない中小成長株に宝が埋もれる
テンバガーとなるために必要な最低条件
株価を上げる優秀な経営者の条件は・・・
失敗してそうな投資家の特徴
もはやデイトレードは長期投資?デジダルネイティブによるアルゴリズム取引
↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村
![]() | 価格:1,760円 |

- 関連記事
-
-
貧乏人が貧困から抜け出すのに有効な方法は?所属するコミュニティが鍵! 2023/03/23
-
村八分社会が生み出す新型コロナ騒動の残虐性 2020/07/23
-
10万円の給付金。どうやったらもらえるのか(新型コロナ) 2020/05/08
-
日本人がノーベル経済学賞を受賞できない理由 2018/07/09
-
アメリカに続き、中国にもなぶられる実質植民地、日本 2023/06/11
-
コメント