衆院選でとんでもない候補者に投票しないための知的武装

2021年秋には衆議院選挙が行われます。この衆議院選挙は今後の日本の命運がかかっているといっても過言ではないと思います。
コロナ禍で社会は大混乱をきたしており、経済活動は一部をの例外を除いて停滞し、このまま放っておいたら日本はいつまでもデフレから脱却できないでしょう。
有権者が正しい知識を持って、まともな候補者に投票しなければ愚かな政策が再び繰り返されるだけなのです。
インフレ期・デフレ期の正しい経済政策
まず大前提として押さえておかねばならないこと、それは経済の状況によって必要とされる経済政策は大きく異なってくるということです。
とりわけ、インフレ期とデフレ期では打つべき政策はまったく逆になります。
一般人受けが良いからといって、やたら規制緩和や構造改革、公務員削減などと耳障りの良いことを言っても、デフレ期には景気の足を引っ張るだけであり、庶民の生活をますます苦しくするだけです。
以下にインフレ期とデフレ期に打つべき経済政策をまとめておきます。

受けがよいからと規制緩和や財政均衡などを主張する候補者はよほどの不勉強か、庶民を馬鹿にして騙しているかのどちらかでしかなく、投票するに値しない候補者ということになります。
日本の現状
欧米に比べ、日本経済の回復は鈍い。それは株価にも顕著に現れています。
以下は2013年からの消費者物価指数(コアコアCPI(※))の前年比です。

(出所:ニッポンの数字)
インフレターゲット2%は全く達成されていないどころか、むしろ遠のいている感があります。
2014年に一時的に2%を超えているのは単に消費増税(5%→8%)があり、3%分が上乗せされているからです。
(※)コアコアCPI
モノやサービスの価格を指数化した消費者物価指数(CPI)の一つ。天候など外的要因に左右されやすい食料(酒類を除く)とエネルギーを除いて算出した指数。CPIには同指数のほか、全体を示す総合指数、値動きが激しい生鮮食品を除いたコアCPIの3つがある。
モノやサービスの価格を指数化した消費者物価指数(CPI)の一つ。天候など外的要因に左右されやすい食料(酒類を除く)とエネルギーを除いて算出した指数。CPIには同指数のほか、全体を示す総合指数、値動きが激しい生鮮食品を除いたコアCPIの3つがある。
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日本の長期低迷ぶりは一目瞭然
失われた20年などと言われますが、以下のグラフを見ると納得できます。

(出所:ニッポンの数字)
消費税率を3%から5%に上げ、緊縮財政に舵を切った橋本政権以降、モノやサービスの価格は上がるどころかむしろ下がり続けました。
デフレです。
これが就職氷河期や高い失業率や自殺率、非正規雇用の増大を招いたことは誰しも知っている疑いようもない事実です。
こんなことになってしまったのは政治家や官僚が冒頭の表を理解していなかったからにほかなりません。
しかし、そんな政治家を選んだ有権者もその責任の一端を担っているのはいうまでもありません。
そして今なお、多くの人が誤った理解をしているのは憂うべき事態であり、日本経済の回復を遠のかせている一大要因です。主因といっても過言ではないでしょう。
日本銀行の伝統的思考は金融引締
現在の黒田日銀総裁は異色な存在といえます。
前例にとらわれない異次元金融緩和で日本経済を瀕死の状態から救ってくれました。
しかし、政治家や官僚からの応援はなく、財政政策という第二の矢は放たれなかったため、依然デフレから脱却できていません。
第三の矢などそもそもあったのかどうかすら疑わしい。
ところで日本銀行の伝統的思考回路も実は緊縮路線であることには注意が必要です。
デフレに対しても大規模な金融緩和を行うべきではないというのが、日本銀行でも今なお支配的だというのですから油断はできません。
黒田総裁の前任であった白川前総裁は典型例だといえます。民衆が苦しんでいても我関せずの無為無策。
おかげで日本はリーマンショック以降の回復から大きく後れを取ることとなりました。
当時の民主党政権の野田首相などはデフレなのに消費税増税まっしぐらという頓珍漢ぶりをいかんなく発揮し、白川氏とは最悪のコンビとなりました。
日本にとってはまさに悲劇の時期であったわけです。
黒田総裁の任期は2023年4月8日までです。あと1年数か月しかありません。次期日銀総裁の人選は今後の日本の命運を大きく左右することになるはずです。
最後に
秋の衆院選。アフターコロナで増税が必要などという候補者はまっさきに叩き落さねばならない。
日本の敵です。
プライマリーバランスの黒字化を叫ぶ者も同様です。
誤った人選をすれば誤った政策が進んでいく。有権者一人ひとりにも大きな責任があります。
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