典型的なデフレ銘柄に陰り。インフレの芽か、デフレ銘柄までもが死か

日本経済がデフレに陥って早20数年。いまだにデフレから脱却できないというのは歴史的に見ても稀有な事例です。
しかし、デフレを味方につけた企業もあります。しかし、そんなデフレ型の企業にも業績伸び悩みの影が忍び寄っています。
いよいよインフレの芽が出てきたのか、それともデフレを追い風にしてきた企業までもが不調に陥るほど日本経済は失速しているのか・・・。判断に迷う局面なのです。
デフレを追い風にしたドン・キホーテ
デフレという逆風をむしろ味方にして成長し続けてきた企業の代表例はPPIH(7532)(旧ドンキホーテHD)でしょう。
なんと31期連続の増収増益。
ドン・キホーテ1号店が開業したのは1989年です。まさにバブル経済真っ盛り。しかし、その後のバブル崩壊、デフレ経済への突入にもかかわらず増収増益を続けてきたわけです。
当初は小さな店舗にこれでもかと商品を陳列し、客がすれ違うのも大変といった趣の店舗でした。
その後、長崎屋の買収などにより大型のメガ・ドン・キホーテで客層を中高年齢層へ拡大していまや売上が年1.7兆円にも達するメガ小売業にまで成長しました。
ドン・キホーテに見える変化
しかしここに来て、その源流ともいえるディスカウント業態のドン・キホーテの売上が伸び悩みを見せているのです。
どうやらコロナ禍の影響でインバウンド需要が低調であることにその要因があるようですが、それだけではなさそうな気も・・・。
買収したユニーの店舗の業態転換によりなんとか増収増益基調を維持していますが、今までの勢いに若干の陰りが見え始めました。
それにしても旧ユニーの店舗に助けられているというのはなんとも意外です。何か時代の変化を暗示しているようにも思えてくるのです。
●PPIH(7532)

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ドン・キホーテ以上の長期増収増益銘柄
もう一つ、デフレの申し子ともいえる企業はニトリHDです。
なんと34期連続増収増益とPPIHをも凌ぐ大記録です。もはや家具といえばニトリといっても過言ではなく、ほかの家具屋を思い出すことすら難しい。
しかし、ニトリにも変調が現れ始めています。
2021年8月の既存店売上は前年同期比でなんと18.5%も減少。4か月連続の前年割れです。
巣ごもり需要が一巡などといわれておりますが、本当にそれだけなのか?
木材の高騰が価格に転嫁されて、売れ行きが伸び悩んでいるのではないか、家具を買う余裕すら日本人にはなくなってきたのではないかと疑ってしまいたくなります
●ニトリHD(9843)

最後に
デフレ銘柄の不調が単なる一過性のものなのか、それとも何か時代の変わり目を暗示するものなのかは今のところ不明です。
時代の変わり目であると仮定すれば、その可能性は2つに絞られると考えられます。
1つはデフレをいよいよ脱することを示唆している、もう1つはデフレ経済があまりにも長期にわたり、デフレを追い風にしてきた企業すらいよいよ苦しくなってきた、ということです。
そして後者ではないことを祈るばかりなのです。
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