確定拠出年金で元本確保型の運用をしてしまう残念な人たち

コイン

確定拠出型年金には企業型と個人型がありますが、共通項として挙げられるのは拠出資金の運用方法を選ぶのは加入者であるという点です。

加入者にとって、どんな金融商品で運用するのかは将来の金融資産の額を決める大問題なのですが、なんとも安易な選択をしている人が多いのかと驚愕するばかりなのです。






確定拠出年金、確実に増加中


企業型、個人型と合わせた確定拠出年金加入者は約1000万人に達する規模となりました。

2001年にスタートしてから20年あまり経つわけですが、とりわけここ最近の伸びは著しい。

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(出所:厚生労働省)

その中でも伸びが著しいのはイデコと呼ばれる個人型確定拠出年金です。

2017年から公務員や主婦なども加入できるようになったこと、そして2000万円問題などでマスコミが老後資金の枯渇を煽った影響が大きいと思われます。

残念な選択


しかし、せっかく確定拠出年金に加入して自由に資金運用ができるというのに、資産残高の約半分が預貯金などの元本確保型で占められているというのですからいささかびっくりします。

こんな低金利下において元本確保型では資産が増えようもない。

今後、株式が暴落するのを待って配分を変えようと考えているのならばわからないでもありませんが、どうもそうは思えません。

そしてその結果は運用利回りに如実に表れています。

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悲しい利回り


ある調査会社によれば、企業型確定拠出年金の利回りは0~1%が約3割を占めているとのことです。

新型コロナバブルの恩恵をまったく受けておらず、ただただ横ばいを続けるだけ・・・。

減らないとはいえ増えないという悲しい状況なのに、多くの人は無頓着を決め込んでいるように見えます。

長期では恐ろしいほどの差が


ある投資助言会社が月3万円を40年積み立てたケースの試算をしています。

拠出金額は総額で1440万円になります。あらゆるシミュレーションを行った結果、株式に2割投資すると、予測される40年の運用後の資産総額は1791万円となりました。

これに対し、株式に9割投資すると予測される資産総額はなんと8114万円。

なんと4.5倍もの差がついてしまうという試算結果がはじき出されました。

無論、株式は値動きが激しく、短期ではどうなるかわかりません。

しかし、長期的な視点に立てば株式のほうに大きく軍配が上がるということです。若い人が元本確保型で確定拠出年金の運用をしているとしたら、将来大きな後悔をすることになりそうです。

それは以下のグラフを見ても明らかなことです。

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(出所:株式投資第4版(ジェレミー・シーゲル氏))

非課税メリットを受けられる口座で運用すべき資産


非課税メリットを受けられるのは確定拠出年金ばかりではありません。ご存じNISAです。

これら、運用益の非課税メリットを受けられる資金運用においてどのような金融商品を運用したらより有利な結果となるのか。

全体のポートフォリオの中で総合的に考える必要があります。

非課税メリットを受けられる口座で運用すべき資産は期待されるリターンが大きなもののほうがよいというのが結論でしょう。

金利0.01%の金融商品の非課税メリットは0.002%ほどしかありません。対して、株式など大きな値上がりが期待できる資産であれば非課税のメリットも大きくなる可能性が高い。

仮に株価が2倍になれば非課税のメリットは約20%にもなります。

最後に


長い目で見れば株式で運用するほうが有利になる可能性が高い、また非課税のメリットを受けられるならばより期待リターンの高い資産に投資する方が有利になる可能性が高い。

これは投資の王道と言えると思います。

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