世界の運用会社、株式比率上昇。そして逆回転リスク高まる

歯車

世界中の資産運用会社が株式投資の比率を高めています。当然株価は上がる。

しかし、資金の株式傾斜が高まればその反動がいずれやってきます。いわゆる「ブリッシュ・コンセンサス」です。






「ブリッシュ・コンセンサス」とは


株式投資に対する考え方にブリッシュ・コンセンサスというものがあります。皆が強気になれば株価はいずれ下がり、弱気になれば株価はいずれ上がるという考え方です。

これは単にあまのじゃく的な考え方ではありません。

株式投資に対して強気になっている人が多いということは、既に運用資金の多くを株式につぎ込んでおり、買付余力は少なくなっているといえます。

相場環境が変化した場合、残された行動は売ることのみとなっていると考えられます。

何か大きな事件事故などが起これば一斉に売りが殺到し、株価は暴落する可能性があるというわけです。

反対に、皆が弱気になっているということは手持ち資金は潤沢となっており、株式の買付余力が大きくなっています。

何か好材料が出れば、皆が一斉に株式を買い出し、株価は一気に上昇するというわけです。

現下の情勢


現在(2021年9月)、世界的に運用会社は株式の資産配分比率を高めています。

企業業績の回復期待が強いうえ、債券は利回りが低すぎて魅力に欠ける。インフレ懸念も出始めており、債券価格の下落が懸念されています。

そして、株式はインフレに強い。そこで資金が株式へ流れているというわけです。

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とりわけ買われているのは先進国株


中でも買われているのは欧米などの先進国株です。

先進国はワクチン接種が進み、景気回復期待が高まっているのが主たる要因です。

以下はNYダウと上海総合指数の推移です。

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NYダウが堅調に推移しているのに対し、上海総合指数の低迷が目立ちます。

これには様々な要因が絡まっていると思いますが、なんといっても昨今の中国の覇権主義が世界から総スカンを食らっているのが主因と考えられます。

誰も中国になど投資をしたくなくなってきているということです。

しかし、一方で中国は日本の失敗から学んでいます。日本がバブル崩壊後のデフレでいかに国力を落としたかをつぶさに観察してきました。

中国は日本と同じ轍は踏まないでしょう。

株価が暴落しそうになれば躍起になって買い支えに走るでしょうし、場合によっては強制的に市場を閉じて価格を固定させると考えられます。

日本のようにならないために。

率直に言って今の中国エリートは日本の政治家や官僚よりもはるかに賢いといえます。頭に「ずる」がつきますが・・・。

さらに資金はコモディティにも


株式への一極投資に危険性を感じている運用会社はオルタナティブ投資としてコモディティへの投資にも積極的です。

とりわけ最近値を上げているのはコーヒーです。

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その原因は2つ。

1つはブラジルのコーヒー豆の生産が天候不順で大きな被害を受けたことです。

そしてもう1つはコロナ禍の影響で輸出入が滞ってしまったことです。

今後、コーヒー関連商品は値上がりしていくと考えられます。コーヒー好きは今のうちにたくさん飲んでおいたほうがよいでしょう。

最後に


世界の大量のマネーがリスク資産に向かっています。

しかし、買付余力が少なくなったとき、世界経済に変調が見られれば一気に資金は逆回転を始める。そのリスクは日に日に高まっているといえるでしょう。

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