日本、国防だけでなく胃袋もアメリカへ完全に依存中

日本は国土が狭い上に山ばかりで農業に向いていないことはご存じのとおりです。
それなのに一部の作物を除き、輸入障壁を下げ続けたために国内の農業はどんどん衰退し、食料自給率は右肩下がり・・・。
日本人の食料安全保障のためには農業保護が必要なのに、安いのだから外国から買えばいいとばかりに農業を切り捨ててきました。
しかし、なんらかの要因で外国が輸出を止めたときに日本人は飢餓に苦しみ餓死に追い込まれてしまいます。
日本の穀物輸入はアメリカ頼み
日本の国防がアメリカ頼りなのは誰もが知っています。
今だ専守防衛とか非核三原則とかわけのわからぬことを言っている人もいるし、防衛費もGDPの1%程度と国際水準を遥かに下回っています。
周りは核兵器を持つ野蛮な国ばかりだというのにこれで国を守れるわけもない。
ところで、日本は国防ばかりでなく、食料もアメリカ一国に頼り切っていると言ってもよい状況です。
穀物輸入に占めるアメリカの比率が圧倒的に高くなっているのです。
世界と日本の穀物事情
以下は世界のとうもろこし、大豆、小麦の輸出入を矢印で示したものです(2016年)。
●とうもろこし

●大豆

●小麦

(出所:農林水産省)
ちなみに日本のとうもろこしは約4割、大豆は約6割、小麦は約5割がアメリカからの輸入となっています。
日本の穀物自給率は世界的に見ても低水準で、人口1億人以上を抱える国の中では最低レベルとなっています。

(出所:社会実情データ図録)
国防安全保障に加え、食料安全保障もアメリカ一極集中型の依存となっています。
これでは日本はアメリカに逆らうことができない隷属国家とならざるを得ないことも理解できます。
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極端なアメリカ依存の原因
それにしてもなぜ日本の穀物輸入がここまでアメリカ依存になってしまったのでしょうか。
時は太平洋戦争終結後にまでさかのぼります。
第二次大戦で著しく工業化が進んだアメリカの農業は生産性が向上し、過剰生産による供給過剰が問題となりました。
そこで目を付けたのが敗戦で食料難に陥っていた日本というわけです。
学校給食にはパンを無償提供し、日本人をパン漬けにしていきます。
また、全国にキッチンカーなるものを走らせ、積極的に料理指導を行うという周到さで日本にアメリカの穀物を売り込んでいきます。
挙句の果てには「米を食べると馬鹿になる」といったプロパガンダがなんと日本人によって流布されるというおかしな事態をも招きました。まさにアメリカの犬といったところでしょう。
これらの策略は見事な相乗効果を発揮し、日本人は見事にアメリカの穀物漬けにさせられたというわけなのです。
有事の際は自国優先が当たり前
しかし軍事同様、アメリカが自国民を犠牲にしてまで日本に食料を回してくれるとは限りません。
干ばつや冷害などによって不作となったときに、アメリカ人を優先するのは当たり前だし、余剰がなければ日本に売ってくれるはずがない。
現に2010年、ロシアは干ばつにより穀物の生産が減少。そして海外への輸出を禁止しました。
その結果、エジプトなどの中東諸国では食料難による暴動が頻発し、アラブの春(※)にまで発展したと考えられています。
(※)アラブの春
2010年から2012年にかけてアラブ世界において発生した、大規模反政府デモ。
2010年から2012年にかけてアラブ世界において発生した、大規模反政府デモ。
最後に
日本の食料自給率はあまりに低く、今後の気候の不安定化を考えると将来的な食料難はいつ起きてもおかしくない。
穀物の輸入先の分散を図るとともに、農業保護による食料自給率向上が欠かせないと思うのでした。
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