「規制緩和」という言葉に騙され続けた日本人。そして外国の草刈り場へ

今ではすっかり悪者扱いされている「規制緩和」という言葉。しかし、いつの間にやら「規制改革」と名を変えました。しかし、やっていることはほぼ同じというのが実際のところです。
それにしてもなぜ規制緩和は悪者扱いされたのか?
理由は極めて単純です。
世の中に規制は必要であり、時には厳しくすべきものもあれば緩和すべきものもある。緩和すればいいというものではないことに多くの人が気付いたからです。
要は是々非々の問題であり、緩和=善であるはずがない。警察の民営化や消防の民営化、自衛隊の民営化などできっこないことは誰でもわかるはずです。
適正な規制は絶対に必要不可欠
世の中に規制が必要なのは明らかですが、そもそも規制をする目的は何なのでしょうか。
その目的は主に以下の3つです。
1.安全保障の確保
安全保障といってもさまざまな分野があります。一番わかりやすいのは国防でしょう。その他にも食料、医療、治安維持、医療、防災、物流などさまざまな安全保障があります。これらを規制緩和の名の下に危険にさらすことは許されません。
安全保障といってもさまざまな分野があります。一番わかりやすいのは国防でしょう。その他にも食料、医療、治安維持、医療、防災、物流などさまざまな安全保障があります。これらを規制緩和の名の下に危険にさらすことは許されません。
2.良質な環境の維持や安全の確保、社会秩序の維持
産業を発展させようと工場を立てるのは良しとしても環境汚染や健康被害をもたらすような有害物質を垂れ流すようなことは許されませんから当然に規制しなければならない。また建設現場では労働者の安全を確保しなければならない。そして、社会に一定のルールを設けることにより、世の中を円滑に回していく必要あります。一気に規制を緩和して失業者が増大するような社会的混乱は避けなければなりません。
産業を発展させようと工場を立てるのは良しとしても環境汚染や健康被害をもたらすような有害物質を垂れ流すようなことは許されませんから当然に規制しなければならない。また建設現場では労働者の安全を確保しなければならない。そして、社会に一定のルールを設けることにより、世の中を円滑に回していく必要あります。一気に規制を緩和して失業者が増大するような社会的混乱は避けなければなりません。
3.適正な品質の確保と業界の秩序維持・発展
誰もが医者になれるとしたら医療はメチャクチャになることは想像がつくでしょう。そこには免許という規制が必ず必要です。自動車を誰でも運転できるのならば交通事故ばかりで安心して道を歩くこともできません。製品やサービスの品質を維持し高めるには資格制度などの規制は欠かせません。そして、それらを有効に機能させるには企業団体などによる横ぐしの連携が必要です。わけのわからぬ企業が勝手に入り込み、安かろう悪かろうの製品・サービスを提供したら消費者は危険にさらされ最悪死を招きます。
誰もが医者になれるとしたら医療はメチャクチャになることは想像がつくでしょう。そこには免許という規制が必ず必要です。自動車を誰でも運転できるのならば交通事故ばかりで安心して道を歩くこともできません。製品やサービスの品質を維持し高めるには資格制度などの規制は欠かせません。そして、それらを有効に機能させるには企業団体などによる横ぐしの連携が必要です。わけのわからぬ企業が勝手に入り込み、安かろう悪かろうの製品・サービスを提供したら消費者は危険にさらされ最悪死を招きます。
規制が邪魔でしかたがない人々
規制の重要性は明らかですが、この規制が邪魔でしかたがない人たちがいるのもまた事実です。
典型的なのが世界規模で事業を展開するグローバル企業です。グローバル企業にとって、規制は参入障壁となるとともに利益を減らす邪魔者でしかない。
消費者の安全や環境への配慮などをしていたらコストばかりかかってしまうからです。
そのため、グローバル企業は規制を既得権益という悪玉に仕立て上げ、マスメディアを利用し規制緩和が善であると人々の感情に訴えかけてきます。
グローバル企業はそのスケールメリットに加え、中国など環境や人権に配慮しなくてもよい国で作った製品を売るのですから、その製品価格は圧倒的に安くなります。
そして、日本は今デフレに苦しんでいますから安い商品に飛びつきやすいという特徴があり、グローバル企業としては格好のカモなのです。
彼らは以下のような論理で規制緩和を正当化してきます。
1.適正な競争により製品価格が下落し消費者にメリットをもたらす
2.企業努力が足りない企業が自然淘汰されることで経済が活性化する
3.競争が激しくなることで製品の品質が向上する
2.企業努力が足りない企業が自然淘汰されることで経済が活性化する
3.競争が激しくなることで製品の品質が向上する
しかし、これらの主張はグローバル企業が新たな市場を開拓し独占するための詭弁に過ぎないことがほとんどです。
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他国の過去から学ばない日本
いち早く上記のような規制緩和に取り組んだ国があります。1980年代のニュージーランドです。
1980年代、財政問題に直面していたニュージーランドは、規制の緩和や撤廃、公的部門の民営化、社会保障の削減、医療の自由化、消費税の導入、労働規制の緩和など、どこかの国で今まさに行われているような政策を推し進めました。
小さな政府を目指すロジャーノミクスといわれるものです。
その結果は惨憺たるものとなりました。
以下はニュージーランドの男性失業率の推移です。

(出所)GraphToChart. 「ニュージーランドの失業率(推移と比較グラフ)」. 最終更新:2021-05-02. https://graphtochart.com/education/new-zealand-unemployment-total-of-total-labor-force-modeled-ilo-estimate.php,(参照日時:2021-09-24)
1990年代前半、失業率はなんと10%を超えておりました。
倒産する企業が増加し、失業者は増えて格差は拡大。医療は崩壊し、教育の質は低下して優秀な人材が海外へ流出するという結果を招きました。
まさに今どこかの国で今起こっていることが起きたのでした。
腐りかけの自民党に鉄槌を
自民党総裁選が今行われています。
河野太郎氏の圧倒的優勢が当初伝えられましたが、どうもその雲行きは怪しくなってきたようです。
なにしろ河野氏は小さな政府を目指しているほか、中国企業とのつながりが指摘されたりしています。
また、女系天皇容認ともいわれるほか、尖閣諸島など中国にくれてしまえばいいという発言があったとか、消費税増税容認であるとか、日本の首相にはふさわしくない話が次々と湧き上ってきています。
それにしても驚かされたのは自民党内で消費税減税を訴えると総裁選の推薦人が集まらなくなるという話。無責任論者としてみなされるということで、自民党全体が腐っているともいえます。
野党もそれなりに腐っておりますが、秋の衆院選では消費減税を訴えれば自公の票を相当程度奪い取ることができそうです。
野党には自民党に鉄槌を下してもらいたいと願う今日この頃なのです。
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