ものぐさ人間にぴったりのターゲット・デート・ファンド

これからの時代、資産運用が大事だとわかっていても、どんな金融商品に手を出したらよいかわからない。
ましてや経済状況の変化や年齢の変化による資産配分見直しなど面倒だし、難しそうだしやってられない。
そんな人にぴったりなのがターゲット・デート・ファンドです。ターゲット・イヤー・ファンドと呼ばれることもあります。
皆に遅れを取りたくない、しかし実際問題、資産運用などには興味がないといった人にはまさにぴったりのファンドなのです。
年齢とリスク資産の割合
人生100年時代などと言われます(実に疑わしいが・・・)。
そして資産運用でよく言われるのが、リスク資産の割合と年齢の関係です。
『100-年齢=リスク資産の割合』
はよく聞く話です。
30歳の人なら100-30で7割くらいは株などのリスク資産で運用してよいのではないかという考え方です。
過去の歴史を見れば長期的には株式での運用が債券や預金での運用よりも勝っているのは明らかです。
そのため若ければ若いほど短期的な値下がりを気にしないほうが良い。なにしろ若い人には「時間」の余裕があり、リスクを大きく取れます。
しかしそんなことばかりも言っていられません。光陰矢の如し。時の経つのは早いものです。
「いつか資産運用を始めよう」と言っているうちに60歳になってしまったり、いつまでも若い気で株式投機に励んでいたら一気に資産を失ったりという事態も想定されます。
ターゲット・デート・ファンドが標準商品
ところでアメリカの確定拠出年金の運用対象では、ターゲット・デート・ファンドの人気が高い。
ターゲット・デート・ファンドは老後に向けて、若いうちはリスク資産の割合を高くし、中高年になるにつれ、安全資産の割合を自動的に高めてくれる仕組みを持つファンドです。
具体的には投資信託の運用会社が、投資家の退職予定時期に合わせて、いくつものファンドを設定し、投資家は自分の退職時期にあったファンドを購入することになります。
あとは放っておけばよし。
歳を取ったからといって、リスク資産を売却し、安全資産に移すなどといった面倒な作業は一切不要というわけです。
アメリカでターゲット・デート・ファンドが成長した理由は確定拠出年金で運用商品を選ぶ際、加入者が運用商品を能動的に選択しなかった場合には自動的に初期商品としてターゲット・デート・ファンドによって運用されることになっているからです。
要するに万人向けの商品だということです。
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運用比率の実際
実際のところ、運用資産の比率はどのような感じなのでしょうか?
試しに「三菱UFJ ターゲット・イヤー・ファンド」の「2030」と「2060」の運用資産の違いを見てみましょう。
まずは「2060」。今から約40年後であり、新入社員向けともいえるファンドです。

株式の比率が高い。
内外の株式だけで7割近くを占めています。かなり大きなリスクをとっていることがわかります。
そして「2030」。

国内債券と国内短期金融資産だけで7割を超えており、守りに徹していることがわかります。
大きなリスクを取って、あと10年ほどの間にリーマンショックのようなことがあったら目も当てられない。そんなことがないように安全運転をしているわけです。
最後に
「2060」も長い時間の経過とともに「2030」のような配分に変化していくはずです。
素人投資家としては資産運用などに気を使うことなく人生を謳歌していればOK牧場っていうわけでなかなかよくできたお任せ運用なのです。
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