業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その1)

社長と役員との距離は役員と平社員との距離よりも長いといわれます。
それほどまでに会社にとって社長のリーダーシップは重要であるし、社長の器量一つで会社の業績が決まるといっても過言ではないでしょう。
しかし、社長一人でできることに限界があるのも事実。当然、部下に仕事を任せていかなくては仕事は回りません。
そこで権限委譲ってことになるわけですが、人任せにして放ったらかしにし知らぬ間に業績が沈んでいくというのはよくある話です。
ここでは衰退していく企業の原因と特徴について考えてみたいと思います。
人任せの社長では会社は傾く
社長は孤独だともいわれます。まさにそのとおりなのでしょう。
社員が社長と一緒になって考えてくれるなどというのは幻想にすぎず、単なる夢物語です。
したがって社長は自ら考えて率先垂範しなければ会社は変わりません。業績が悪化している企業ならなおさらのことです。
組織をあれこれといじくりまわしてみてもなんの解決にもならないのは目に見えています。
社長が役員や社員に向かって、「改革が必要だ!」と精神論を唱えたところで何にも効果はありません。
社員は「またか・・・」と思うくらいで具体的な行動に落とし込まれることはありません。
社長が本当に会社を立て直したければ、具体的な行動基準を示し、さらにそれがキチンと実行されているかどうか自ら細かく確認するほかありません。
会議で報告を受ける程度のことならだれでもできますが、それでは実態はわからない。社内の実態を知ることはできずに裸の王様になることは確実だといえます。
必要なのは練りに練られた戦略的アプローチ、そして具体的な行動基準です。
そしてそれは社長自らが考えなければ話になりません。
よどんで閉塞した空気感と組織間の不干渉
成長企業の特徴は常に社内が不安定であることです。
人事異動は日常茶飯事。そのため、社員の視野は広くなるし、横のつながりもできて縦割り組織の弊害を打破できます。
逆にいえば衰退企業は社内が安定的でよどんでおり、古参社員が仕事を抱え込んで離さない。そのため社員の視野も狭いし、横のつながりも弱い。
会議を行っても議論が行われるわけでもなく、むしろ連絡会、報告会といった様相であり、喧々諤々、侃々諤々の激論が行われることなどありません。
キズの舐めあいといった感でお互いの城には立ち入らない。しかし、それで会社全体が良くなるはずもありません。
社長が社員から好かれるようでは・・・
社長が社員から慕われるようではどうしようもない。
衰退企業であればなおのことです。
厳しいチェックを定期的に入れ、あれこれと細かいことまで指示をとばす。そんな社長が社員に慕われるわけがありませんが、会社の成長には欠かせない役回りだといえます。
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