業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その2)

企業の盛衰は偶然の賜物ではありません。
同じ業界内でも経営の巧拙により、業績は歴然と差がつくというのが現実です。
そして、衰退していく企業にはある種の病的症状が見られます。
それらの症状が見られる企業は徐々に衰退していきますが危機感は薄く、誰もが誰かのせいにするといった無責任さが垣間見えるのでした。
部分最適にしか興味がない
各部門のトップである部長なりが自己保身に走り、自部門に火の粉がかからないよう常に対処しているような会社があります。
会社の業績を良くするには全体最適の視点が欠かせませんが、部分最適にしか興味がない。
横の連携は断たれ、会社全体の業績に自部門がどう貢献するのかといった視点はほとんど皆無です。
とにかく会社の業績が悪いのはほかの誰かのせいなのです。その実、自身にも大きな責任があるのですがそれを省みることはありません。
部下への責任押し付け
自部門あるいは自身の保身しか興味がない部長なりは、他部門との部長との連携に積極的ではなく非協力的となります。
会社組織ですから当然、組織横断的な事業や業務があるわけですが、そういった業務やプロジェクトは課長なりの部下に放り出して部長は我関せずといった感が強くなります。
交渉の相手方に部長級が出てくれば、課長では歯が立つはずもなく、完全に板挟み状態となりますが、直接相手の部長に交渉することもなく、横から口を出すくらいで積極的に部長同士で解決しようとはしない。
問題は先送りされるか妥協の産物たる結論が出るかのどちらかで、最善の結論が導き出されることはありません。
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複雑怪奇な組織構造で調整不能
1つの事業や商品に関し、ありとあらゆる部門が少しずつ関わっており、誰もが無責任で業務は複雑怪奇な体系で進んでいきます。
そのため、会議などをやればやたらと出席者が多くなり、話があっちへ飛びこっちへ飛びでまとまるものもまとまりません。
会議をやってもまともに結論が出ることもなく、次回へ持ち越しといったケースがやたらに多くなります。
顧客目線は消え、競合他社への興味はなし
自組織の中での調整にばかりに時間と労力を割かれるため、社員の神経は社内ばかりに向くようになります。
妥協、妥協の中で、顧客目線は消えていき、ましてや競合他社の動向になど気を配っていられないという本末転倒が起こります。
当然、商品の魅力は無くなり、顧客からそっぽを向かれることになります。
最後に
部長同士で調整がつかないことの責任はさらにその上長にあることは明らかです。
組織を束ねる管掌役員なりが問題を察知して解決を図るほかありません。
なにしろ権限が同じ者同士ならば永遠に平行線をたどるのですから、上の者が問題を整理して最適解を導き出して決定するほかありません。
しかし、管掌役員が鈍感だと下の者は救われない。
課長級に自殺が多いのは、無責任な経営層が跋扈しているからだと考えられます。
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