業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その3)

オフィス

業績が傾いている企業、赤字を垂れ流している企業にはそれなりの原因があります。逆もまた真なりです。

引き続き、業績が冴えない企業にはどんな特徴があるのかまとめていきたいと思います。






どんぶり勘定がまかり通る


一企業でも扱っている商品が一つだけということはまずないはずです。

業種により程度は異なれど、複数の商品を顧客に販売しているのが多くの会社の姿でしょう。

当然その中には、魅力ある商品もあれば、陳腐化して魅力が少なくなった商品もあるはずです。

成長企業、業績好調な企業ではその把握が的確に行われており、またどの商品群が黒字であるか、赤字を垂れ流している商品群はどれかを分析しているのが普通です。

しかし、業績悪化企業においてはその分析を行っていないケースが多い。

要するに多くの商品群を一つにまとめて原価計算してしまうために、何が黒字で何が赤字を生み出しているかがわからない状態に陥ります。

もはや羅針盤なき航海ともいえ、会社という船は漂流状態となります。

こんな状態では何をどうしたら会社の業績が良くなるのかさっぱりわからず、行き当たりばったりの出たとこ勝負という戦略なき戦略を取らざるを得ません。

どんぶり勘定企業の評価基準は結局これ


商品群ごとの損益が把握できないと、社員は明確な行動基準を持つことができません。すると社員の行動基準は何になるのか?

ずばり売上です。

結局のところ何を売れば利益になり、何を売れば赤字になるのかがよくわからないから何でもかんでも売れるものを売る。

そして売上高だけが社員やチーム、部門の評価基準となります。

しかし、よく売れるものが利益を生み出すとは限りません。極端な話、売れば売るほど赤字になるような商品をバンバン売って、蓋を開けたら決算で大赤字なんてことになりかねない。

下手な鉄砲も数打ちゃ当たるとはいうもののIT社会ではそんな時代錯誤は通用しない。これでは会社は傾いていくばかりです。

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どんぶり勘定の影響は商品開発にも悪影響が


上記のようなどんぶり勘定だと、どんな商品を開発すればよいのかの判断基準もあいまいになり、開発する商品は総花的となる傾向にあります。

売れ筋商品があっても単に値引きをして売上を増やしているだけなのかもしれません。そんな情報をあてにして新商品を開発しても利益が上がるわけがありません。

あれもこれもと手を出して、開発商品がやたらと多くなり、人手が足りなくなってどれもこれも開発が中途半端に進んでいくことになります。

商品開発のスピードは遅くなり競合に遅れを取る上に、力が分散するために品質でも負けてしまうという最悪の結果を生み出します。

どんぶり勘定であるがゆえに組織の戦略が歪んでいく、あるいは戦略がないために商品を絞り込めないというのがその原因です。

組織に理念、戦略がないと社員は腐る


出たとこ勝負で理念も戦略もない、そんな企業に勤めていれば社員のモチベーションはだんだんと下がっていくことは必然です。

社員は会社に対して不信感をもつようになり、それはやがて口から愚痴という形で吐き出されてきます。

結果、社員が飲み屋や家で会社への不平不満を垂れ流すようになります。

逆にいえば不平不満を垂れ流すような人が多い会社は業績が悪いと判断してまず間違いないものと思われます。

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