いかにも日本らしい妥協の産物。東証の取引時間延長はたった30分

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東京証券取引所は2024年を目処とし、取引時間の延長を図るといいます。

現在は午後3時までとなっているところ、午後3時30分までに延長することになります。

一般人の感覚だとなんのことはないようなニュースですが、金融業者にとっては大ごとのようであり、その感覚のずれにはいささかあきれるばかりなのです。






抵抗勢力の存在で取引時間延長できず


東証は過去3度にわたり取引時間の延長を模索してきましたが、再三、証券会社や運用会社の反対にあい、実現することはありませんでした。

それにしてもその反対の理由がなんとも情けない。

昼休みがとれなくなるとか、夜間取引を導入するとその分の人件費がかかるとか、投資信託の基準価額の算出が遅くなるとか・・・。

自分たちの都合ばかりが優先され、そこには投資家の利便性向上といった視点がまったく欠けているのです。

まったく誰のために仕事をしているのかわかったものではありません。

システム障害が流れを変える


東証としては、取引がPTSに流れることを防ぎたいという意向があったのですが、上記のようなくだらない理由で反対に会いお流れが続いてきたわけです。

しかしその潮目が変わったのは2020年10月に起こった東証の終日システム障害です。

東証のシステムは障害が起こってから再起動をかけても復旧するのに3時間かかるというのです。

午前のうちに障害を解消できなければ終日売買が停止する可能性が極めて高くなってしまう。そこで30分延長すれば、午後の取引時間中に復旧できる可能性が高いというわけです。

妥協の産物、30分


システム障害が呼び水となって取引時間が延長されることになったのですが、それでもたったの30分。お寒い限りと言わざるを得ません。

30分延長しても取引時間は5時間半。

ニューヨークは今でも6時間半、ロンドンは8時間半となっており、延長してもまだ負けているという状態です。

しかも、ニューヨーク、ロンドンは昼の中断がありません。

素人目線でも中断はしないほうが、システムは単純で済むし、余計な障害が発生するリスクは低くなると思うのですが・・・。

昼飯はゆっくり食べたいってことなのでしょうか。

ネット証券が取引時間の延長に反対するはずは無いと思われ、反対したのは対面型の証券会社であろうことは容易に推測できます。

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護送船団方式という亡霊


日本の金融機関がすべてとは言いませんが、今だ護送船団方式の感覚から抜け切れていないようです。

そのため、過去の古い慣習がまかり通り、国際標準からかけ離れた慣行が今なお残っているようです。

例えば投資信託の基準価額の計算。

日本では運用会社と信託銀行がそれぞれ計算し、誤りがないことを確認しているため時間がかかっているという実態があります。

もちろんその方が間違いは少なくなるでしょう。しかし、過剰な工程が投資家の利便性を損ねているとしたら本末転倒と言わざるを得ません。

最後に


金融ビッグバンがスタートしたのが1998年。それから24年の歳月が過ぎたわけですが、いまなお護送船団方式から抜け出せない金融マンがいるということです。

しかし、1998年入社組が会社を仕切ることになるであろう10年後には護送船団方式は過去の歴史となっているはずであり、その言葉を知っている人も少なくなっていることでしょう。

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