一票の格差がなかなか是正されない原因は何か

いよいよ運命の衆議院選挙が近づいてまいりました。今回の選挙は日本の今後10年を占う非常に意義深い選挙であるといえます。
ところで、選挙のたびに言われるのは一票の格差問題です。
同じ一人の人間なのに、票の重みに違いがあるのですから放っておいてよいはずがありません。
しかし、なかなかそれが是正されないのにはそれなりの理由があるようなのです。
一票の格差と裁判
一票の格差問題はたびたび問題となり、裁判において争われてきました。
以下は最大格差の推移と裁判の結果を表しています。

(出所:社会実情データ図録)
それにしても参議院における1990年代の票の格差はすさまじい。5倍以上あっても合憲判決が出ていることも驚きです。
さすがに最近は是正されてきたものの、それでも2倍程度の票の格差は常態化しており、なかなか是正されません。
修正するのは理論的には簡単なのだが・・・
一票の格差を完璧に修正するのは困難ですが、2倍もの差がつくのは異常ともいえます。そしてその是正方法は実に簡単なのです。論理的には・・・。
ただ単に、一票の格差が無くなるよう、選挙区の人口が同じくらいに収まるように区切りを変えればよいだけ。ただそれだけです。
しかしそれがなかなかうまくいかない。いったいなぜなのでしょうか。
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一票の格差是正のハードル
それは選挙区の人口、地域を変えられると都合が悪い人がいるからにほかなりません。
それがいったい誰かといえば、現任の議員です。
自分が当選した選挙区の人口や地域が変わってしまえば、今まで培ってきた地盤が崩れかねない。
選挙民が増えれば、新たな有権者が自分に票を入れてくれるとは限らない。そこでなるべく現状を維持したいと考える政治家がいるということです。
あえて自分の身を危険にさらす提案を政治家がするわけがない。
政治家も所詮自分がかわいいことに違いはないということです。
選挙結果を決めるキングメーカー
以下は過去の国政選挙における比例票の動向です。

(出所:社会実情データ図録)
さて今回の選挙はいったいどうなるのか?
以下は最近の政党支持率の推移となります。

(出所:社会実情データ図録)
自民党支持層と無党派層の数が拮抗していることがわかります。
サイレントマジョリティが投票に行くか?そしてどこの政党に入れるか?が最大の焦点であり、サイレントマジョリティこそが選挙のキングメーカーといえます。
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株、解散後から選挙までは買い、選挙後は結果次第で不明・・・
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