会社改革の肝。ここを押さえないと改革はとん挫する(その1)

オフィス

これまでは落ち目となった、あるいは今後落ち目になるだろう企業の特徴を見てきました。

しかし、落ち目のままではいつか会社は倒産してしまいます。なんとか会社再建を果たさねばなりません。

それには何かの手立てが必要です。その手立てに効果がなかったり、逆効果だったりすればさらに会社は傾くことになります。

会社改革にあたり、どのような点を肝に据えておく必要があるのでしょうか。






会社改革には大きな事件が必要


衰退していく会社に改革が持ち込まれれば、必ず軋轢が生じるものです。改革のインパクトが大きければ大きいほど大きな反発が待ち構えています。

しかし、この反発に負けて穏便にことを進めようとしては最初から負けは決まったようなものです。

事なかれ主義を排除し、衝突が起こってもぶつかり合わねば改革が成功するはずがない。むしろ改革者は事件が起こるくらいドラスティックに組織を変革しなければなりません。

落ち目になっていればいるほどその程度は大きくなります。

改革の正当性、必要性を訴え、なるべく多くの人の賛同を得なければなりません。喧嘩はつきものなのです。

反発者に最終的に待っているのは左遷、降格、退職であることを自ら意識させなければ失敗します。その意味において会社はある程度独裁主義でなければならないといえるでしょう。

国家とはまったく価値観が違うものです。

あらゆるしがらみを排除する


会社には多かれ少なかれ、しがらみといったものが存在します。しかし、落ち目の会社がそんなしがらみに縛られていたらいつまでも立ち上がることはできません。

改革の選択肢を検討するにあたって、聖域を作ることはタブーです。

問題の本質はタブーの中に隠れていることが多い。

タブーも含めたあらゆる問題点を把握し、改革の選択肢を決めていかねばなりません。

また何事もスタートダッシュが大事です。改革プロジェクトなりが発足しても遅々としてメッセージが出てこないと社内の緊張感は欠け、結局口先だけかと思われてしまいます。

【新版】ランチェスター戦略 「弱者逆転」の法則 [ 福永雅文 ]

価格:1,650円
(2021/11/3 18:59時点)



混乱を恐れない


改革を進めていけば、組織が混乱するのは当たり前のことです。今までと違うことをやろうというのですから当然の初期症状なのです。

カオスともいえる混乱は必然的に発生するものであり、そこでたじろいではならない。むしろ、混乱は改革の生みの親と考えられ、改革が成功していけばやがてその混乱も多少は落ち着いてきます。

考え違いをしてはいけないのは改革が成功したからといって、平穏が訪れることはないということです。

改革がもたらすもの、それは業績の向上であり、安定ではありません。

失敗シナリオも用意しておく


どんなに周到に改革案を策定しても、それが100%うまく行くとは限りません。

世の中は常に変化しているし、改革案にはひょっとしたら何か重大な欠陥が潜んでいるかもしれない。

優秀な経営者は最悪の事態にも備えておかねばなりません。改革の失敗です。

無論、失敗はしたくはありませんが、万が一のときにあわてふためいても仕方がない。

改革が失敗すれば会社をたたむとか、その事業は切り捨てるとか、どこかの企業に買ってもらうとかのシナリオを用意しておかねばならない。

背水の陣で臨まなくては改革は成功しないという矛盾にも答えを用意しておかねばならないということです。

(つづく)

おまけ

それにしてもなぜ日本は衰退し、アメリカは発展を続けるのか?

以下の動画の中にその秘密はとても見いだせないのであります。でも面白い。



【関連記事】
業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その1)
業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その2)
業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その3)
業績がひたすら悪化して衰退していく企業の特徴(その4)
会社が改革されるとき、社員は5つに分けられる

↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村

戦略プロフェッショナル[増補改訂版] [ 三枝匡 ]

価格:1,760円
(2021/11/3 19:02時点)






関連記事

コメント

非公開コメント