縦割り組織に見られる弊害が企業を滅ぼす

組織図

企業のほとんどが縦割り組織になっているのは社会人であればご存じのとおり。国も同様です。

この縦割り組織は機能別組織などとも呼ばれます。この機能別組織、行き過ぎると会社存亡の危機に陥る罠がいくつも潜んでいます。






行き過ぎた機能別組織


機能別組織は一見、組織運営上極めて合理的のように思えますが、縦割り行政の弊害が指摘されるようにそのデメリットも数多くあります。

あまりに組織が硬直化し、機能別組織が巨大化するとその弊害がメリットを上回ることとなり、会社が機能しなくなって競争力を落とす結果となります。

機能別組織の行き過ぎは以下のような弊害を生みます。

事業の損益責任が曖昧に


商品開発は単独の組織ではできないため、あらゆる組織が参画することになります。

しかし、機能別組織ではそれぞれの思惑や利害がある。開発者は技術重視で顧客目線でなかったりするわけです。

それをなんとか調整しながら商品開発を進めるわけですが、あらゆる組織が絡んでいる以上、その結果責任が一体どこにあるのかはっきりしなくなります。

失敗すれば責任のなすりつけ合いが起こり、組織間の仲が悪くなっていきます。

そうなれば、組織間のコミュニケーションは悪化し、ますます意思の疎通ができなくなっていきますから、商品の改善や新商品の開発も遅くなり、ますます競争力を失っていく。

そしてさらに組織間の仲が悪くなるという悪循環が止まらなくなります。

顧客との距離が遠くなりサービスが低下


これは上記とも密接に関係しますが、肥大化した機能別組織では顧客とじかに接する部門の力が相対的に弱くなるとともに、顧客への意識が薄弱となっていきます。

もっぱら意識は社内政治に向けられがちとなり、顧客軽視、顧客無視の行動が増えてくる。

もはや客商売とはいえないような官僚型組織となり、顧客の求める商品開発などには興味を失っていきます。

そして、組織間の仲が悪いため、「売れないのは営業力が足りないせいだ!」などといった声が上がる一方、営業部門からは「俺たちの声などまったく聞き入れてもらえない。」などと愚痴がこぼれてきます。

こうなるともはや立ち直りは難しい。

組織の抜本改革が必要となりますが、そもそも肥大化した機能別組織を持っている企業ですから動きも鈍い。

大きな船が急に進路を変えられないのと同じであり、改革には多くの時間を要します。

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根回しに時間がかかり意思決定が遅い


機能別組織が細分化されればされるほど、意思決定のための事前の根回しに時間がかかる。

会議一つ開くのにも日程調整に時間がかかります。

また、会議への参加者が多くなり、言うこともてんでバラバラ・・・。意思決定には途方もない時間がかかりますし、決定した内容も誰もが中途半端に満足するような妥協案ばかりとなります。

そんな妥協案で顧客満足度が上がるわけもなく、市場競争力はみるみるうちに急降下していくのであります。

最後に


あなたが会社員ならば上記のような症状の一つくらいは思い当たる節があるのではないでしょうか。

当方にはいくつもあります・・・。

機能別組織、その罠は部分最適にしか興味が無くなり、全体最適が無視されることです。社員一人ひとりの視野は完全に狭くなっています。

ではいったいどうしたら?

それはまたの機会に続けたいと思います。

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