メルセデスの基幹部品が中国製!?自動車業界下剋上

電気自動車

自動車のEVシフトが加速化しています。そして存在感を増してきているのが中国企業。

なんとあのメルセデス・ベンツのEV最新車種に採用されたのは中国企業の電池だというからびっくり仰天なのです。メルセデスですよ、メルセデス!!

そしてまた、その電池システムを制御するシステムも中国製・・・。

いったいどういう思考回路か不明ですが、名門中の名門が中国製部品を基幹部分に採用するとは驚きを禁じえない。

中国製といえどもピンからキリまであるということだろうし、最先端技術でも先進諸国に負けていないとしか考えられません。






内燃エンジン車の終焉


内燃エンジンの終焉が近づいているようです。

メルセデスは2030年にも全車種をEV化する計画を立てています。

無論、充電スタンドが十分に普及するという前提に立っての話ではあります。

しかし、世界は脱炭素化に向けてまっしぐらであり、もはやこの波は誰にも止められない。いつまでも内燃エンジン、そしてハイブリッドにこだわっていたら、世界の潮流から取り残されるだろうし、完全に世界から悪者扱いされます。

世の中は綺麗ごとしかまかり通らなくなってきており、「CO2を排出するもの=悪」の構図が成り立っています。

そしていずれガソリンスタンドが無くなれば、誰しも電気自動車に乗るほかなくなります。

蒸気機関車と電気機関車


内燃エンジン車がEVにとって代わられるのは、蒸気機関車が電気機関車にとって代わられたのと同じ構図なのでしょうか。

蒸気機関車はパワーに欠けるので加速が悪いうえにスピードも遅い。

またメンテナンスにも時間がかかる、煙がひどいし、乗務員への負担も重いといった理由で電気機関車に完全に取って代わられました。

蒸気機関車では新幹線のようなスピードは出せないし、電気にとって代わられたのも合点がいくというものです。

とにかく蒸気機関車はエネルギー変換効率が悪く、約1割です。これに対して電気機関車は30%以上ですから効率性という意味においても合理的だったといえます。

自動車の場合はどうか


自動車の場合はどうでしょうか。

自動車のエンジンは進化を続け、そのエネルギー変換効率も改善に改善を重ねたおかげで30%程度にまでアップしています。

電気自動車と比較してもそれほど劣ってはいない。

それなのに最近、EVシフトが加速しているのはたぶんに政治的要素が大きいと推測します。

日本とドイツの自動車産業に勝つためにはゲームのルールを変えるしかない。それをもっともらしい理由で正当化するのに、CO2排出削減による地球温暖化防止というレトリックは大変都合がよかったということなのでしょう。

以下は今後のパワートレイン別の自動車販売シェア予測です。

20211122EV.jpg
(出所:経済産業省)

現在の雰囲気では、EV化はこのグラフよりも早く進みそうな気配です。

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既存メーカーの危機


それにしてもメルセデスの完全EV化には驚かされました。

メルセデスは中国に研究開発拠点を作り、そこでは自動運転などの開発も中国人の技術者を取り込んで進めていくといいます。

やがて技術は中国に抜き取られ、中国の現地企業がそれを活用していくのは間違いない。今まで何度も繰り返されてきたことが再び繰り返されるだけです。

しかし、中国市場を無視したら成長から取り残されるという危機感を各自動車メーカーが抱いているのは当然です。

なにしろ中国は世界最大の自動車市場なのですから。

20211123car.jpg
(出所:経済産業省)

ところが皮肉なことに、中国でも若い世代は自動車メーカーにこだわりを持たなくなってきており、既存の自動車メーカーは蒸気機関車製造会社と化す可能性があります。

最後に


CO2が本当に地球温暖化の原因なのかもはっきりしていませんが、世界はその前提で完全に動いています。

日本は電気自動車が普及しても、その電気の多くが火力発電に依存していることを考えるとCO2を発電所で出すか、車で出すかの違いしかありません。

CO2削減のためには原子力発電を復活させるほかありませんがその道も険しい。

かといって日本だけ内燃エンジン車を使い続ければ完全にガラパゴス化するというジレンマ。

内燃エンジン車が電気自動車にとって代わられることで日本人の雇用が100万人失われるといいます。自動車産業を失えば、日本にはいったい何が残るのでしょうか・・・。

日本がいかに自動車産業に依存しているかは以下を見れば明らかです。

20211123car2.jpg
(出所:経済産業省)

対応を誤れば20年後の自動車産業の勢力図は今とはまったく異なったものとなっていることは間違いなく、日本の自動車産業は家電の二の舞を踏むこととなりそうです。

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