頭金なしでの高額な住宅の購入が増加。その理由

家

一生の買い物である住宅。ローンを組まずに購入できる人は皆無といってよいでしょう。

購入価格の1割から2割程度を頭金とし、残りを住宅ローンで支払っていくというのがこれまでの常識でした。

しかし、最近は頭金なしでの購入が増えているといいます。いったいどんな背景があるのでしょうか。






頭金なしでの住宅ローン購入が増加


2020年、首都圏で新築一戸建てまたはマンションを購入した人のうち、約2割が頭金なしで住宅ローンを組んでいます。

これには2つ理由があります。

1つは住宅ローンの金利が非常に低いことです。

2021年11月現在、変動金利型の住宅ローンの金利は1%割れの水準となっています。住宅ローンは元金が大きいだけに少しの金利差でも大きな金額となりからこの差は大きい。

頭金を入れなくても月々の支払をしていける目処が立つというわけです。

現状、住宅ローンを利用する人の7割程度が変動型を選択しています。

2つめとしては、住宅の価格が上昇基調のため、万一、売却せざるを得なくなったとしてもローンだけが残るというリスクが小さくなっていることが挙げられます。

頭金を入れておけば売却損と相殺されるため、ローンのみ残るという虚しい事態を避けることができますが、今はその可能性は小さいと見られているということです。

住宅ローンで思わぬ恩恵を受ける人も


お金を借りれば金利を払わなくてはならない。当然それは金銭的負担となります。

しかし、あまりに金利が低いために住宅ローン控除を使うと金利負担を上回る税負担の減少が発生し、利益を生むケースまであります。

住宅ローン控除を使えば年末の住宅ローン残高の1%程度が所得税から控除されるのです。

住宅ローン控除は所得控除ではなく、税金がまるまる減る税額控除であるため、その効果は抜群。

安い金利でたくさん借りれば金利負担を上回る税額控除を受けられる人がいるのです。これはおいしい。

住宅市場に変化の兆しが現れる


しかし、住宅市場にも変化の兆候が出てきています。

ここに来て住宅価格の上昇は鈍ってきました。好調な中古マンション市場も2021年夏から少しずつ弱含んでいます。

在庫も増え始めており、値下げ物件の数が増えてきています。

今は買い時ではないと考える人が多くなってきており、頭金なしで住宅を購入した人が早期に住宅を手離さざるを得なくなった場合、ローンのみ残る可能性が高まってきています。

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金利リスクという不確定要素


世界的なインフレ傾向から将来的に金利負担が増す可能性もあります。

約7割の人は金利リスクに常にさらされているといえます。一定期間経過後の金利見直しで金利が上昇すれば、毎月の返済額が増えてしまうかもしれません。

極端な金利リスクを回避するため、変動金利型の住宅ローンは金利が見直しとなっても毎月の返済額は25%増で抑えるという仕組みとなっています。

しかし、逆にいえば元本が減らない。

当初計画された期限に元本がゼロとならないため、最後に一括での返済を求められるのが通常です。払えなければ住宅を手放す必要に迫られる可能性があります。

退職金をあてにする人も多いと思いますが給与と同じく退職金も右肩下がり傾向であり日本の貧困化は退職金にも影響を与えています。

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(出所:社会実情データ図録)

住宅ローン控除の見直しも


住宅ローンを借りて利益が出るのはおかしいという話も出てきています。

政府は税制改革案で住宅ローン控除のありかたを見直す予定であり、早ければ2022年4月から適用されることになりそうです。

具体的な案としては、税額控除の上限を住宅ローンの金利負担分までに抑えることになりそうな気配です。

今後住宅購入を検討する人は環境の変化を視野に入れて考える必要があるといえます。

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