NM倍率から現状の株価水準を考える(2021年12月)

東証マザーズの株が冴えません・・・。
12月3日には久しぶりに反発したとはいえ、その前は7日連続安でした。
とりわけ売られているのは時価総額が大きい主力銘柄です。これには特殊な需給要因が絡んでいるようです。
2021年末、上場ラッシュの理由
2021年12月、マザーズ市場に上場する銘柄はなんと20社以上となる見通しです。
なぜ、この時期に上場ラッシュとなったのか?
いくつか理由が思い浮かびます。
まずはコロナ騒動がピークを越えたと判断したことです。
上場準備には通常3年程度の期間が必要ですが、取引所の審査はマザーズですと2か月程度。緊急事態宣言解除後に審査を受ける企業が一気に増えたと考えられます。
合成の誤謬で株価は下落
また、アメリカでインフレが進んでいることからテーパリングが早まるという予想を立てた企業が多かったのではないでしょうか。
金融緩和の縮小は当然株価にとってはマイナス要素となります。
そこで、テーパリングが行われないうちに上場してしてしまおうという動機が働くのは当然のこと。
その方が、公募価格は高くなって資金調達額が大きくなるし、上場後に株価が上昇する可能性が高いというわけです。
しかし、考えることは皆同じ。
年末に向けて一気に上場銘柄が増えること、またIPO銘柄を上場前に手に入れれば概ね儲かることから、既に保有しているマザーズ銘柄を売って資金を作る動きが加速しました。
これが最近のマザーズの下落要因というわけです。
コロナ禍での主役は大型株
ところで、コロナ騒動下において株価は大きく上昇したわけですが、その主役は大型株であり、小型株は蚊帳の外に置かれたといってよい。
それは以下の株価推移を見れば明らかです。

2020年秋口から日経平均は急上昇したのにマザーズは小幅高にとどまっています。
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成長株の仕込み時来たる
日経平均株価をマザーズ指数で割ったNM倍率の推移は今どうなっているのでしょうか。
以下はその状況を示しています。

直線は線形近似値を表しており、ニュートラルな水準と考えることができるでしょう。
現状はかなりマザーズが割安に振れており、成長株仕込みのチャンスにきているものと考えられます。
NM倍率から株価を探る
NM倍率の適正値は現状23倍程度と推測します。
仮にマザーズが現状の水準で動かないと仮定すると日経平均はどの程度が適正水準となるのでしょうか。
マザーズ指数は2021年12月3日現在、1048ポイント。
1048 × 23 = 24104円
となります。
日経平均は現状からさらに3千円程度下がってもおかしくないと考えられます。
疑似バフェット指標(2021年11月末)
11月も終わりました。2021年も残すところあと1か月・・・。コロナ騒動に振り回された2年間。短大生などは本当に可哀そうな時期に重なってしまいました。
ところでバフェット指標を勝手に加工した疑似バフェット指標で株価の居所を確認してみたいと思います。
(疑似バフェット指標はこちらをご覧ください。)

日経平均は依然として割高と見ます。
この割高を支えているのは、大規模緩和マネー、日銀のETF買い(最近は買ってないが)、株主資本主義の進展(=庶民の貧困化)であろうと考えられます。
岸田政権が、公約を破り捨て新自由主義を進めれば株価は上がるが庶民の貧困化は進み、新自由主義からの脱却を進めれば給与は上がるが株価は下がるというジレンマを抱えています。
どちらがよいかはその人の置かれている立場によって異なりますが、より多くの人が幸福になるのは後者であると確信します。
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