会社改革の肝。ここを押さえないと改革はとん挫する(その3)

オフィス

落ちぶれた会社を立ち直させるにはわかりやすくて単純なストーリーである戦略が不可欠です。

そんな戦略を立てるのは並大抵のことではありませんが、出来上がったとしてもうまく行くとは限りません。

まだまだ難関が待ち構えています。






戦略があっても徹底されなければ意味なし


単純でわかりやすい戦略ストーリーが出来上がったとしてもそれが社内の末端まで浸透しなければ意味がない。

経営トップ自らが戦略を繰り返し語り、徹底を図るほかありません。人間は忘れやすいから定期的に何度も繰り返すことが重要です。

また組織は戦略ありきで見直さなければ意味がありません。

ごくごく当たり前の話ですが、実際には戦略不在のまま組織をいじくりまわし、物事をますますに複雑にして問題解決を難しくしているケースが跡を絶ちません。

戦略がないのに組織だけを変えるのはかえって事態を深刻化させるだけなので止めたほうがよい。問題の原因や本質がますますわからなくなります。

ボトムアップによる底上げが必須


また、誤った戦略が組織末端に浸透したら、逆効果になることも明らかです。

そのためには良き戦略を立てる能力が欠かせません。

井の中の蛙では視野が狭くなり、今までの延長戦上でしか物事を考えられない。

視野を広げるためには社員の経営リテラシーを向上させる必要があります。

他社への出向、社内の研修体制の充実などによる社員の能力底上げが必須です。社員の経営リテラシーが上がれば経営陣の戦略スキルも当然向上するはずです。

これは政治と似ていて、選挙民のレベルに合った政治家しか生まれないのと同様のことです。

アメリカによる日本解剖


戦後、日本は奇跡の経済成長を遂げた一方、アメリカは1960年代後半から低成長に陥り、日本に押されていくことなりました。

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(出所:社会実情データ図録)

1980年頃には日本的経営が礼賛され、日本企業の強さが徹底的に研究されました。太平洋戦争時に、回収された零戦が分解されて分析されつくされたように・・・。また、日本の暗号を解読しつくしたようにです。

そして、アメリカは日本企業の強さは現場の効率化と品質の維持、向上にあることに気が付いたのです。

しかし、アメリカと日本では文化が違う。

日本人は勤勉で真面目な人ばかりですが、アメリカ人は移民の国ということもあり個々人でバラつきがあります。日本のシステムをそのまま取り入れることは不可能でした。

日本の良さをアメリカ流に変革し、それが実を結んだのは1990年代に入ってからです。

その結果、1990年代からアメリカの株価が爆発的に上昇したのに対し、日本はバブル崩壊・・・。まるで第二の敗戦のようです。

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戦後高度成長の源泉


ところで戦後日本が高度成長を遂げた要因は何だったのでしょうか。

様々な要因はあろうかと思いますが、一番の要因は猛烈に働く従業員がいたことです。多少効率が悪くても長時間労働でカバーする。

その頃の日本人からすれば現在の週休2日など夢のような話だろうと思います。

しかし、やがて社員が歳を取って無理もきかなくなり、猛烈社員で支えられてきた日本経済にも陰りが出てきます。

もともと「改善」による品質向上が日本の売りだったのですが、改善にも限界がある。安い労働力でそれなりの品質のモノを作る中国の台頭にも押されて、日本企業は衰退していきます。

もともと日本人は創造性には欠けるため、世界のパラダイムを変えるような新しい産業を興すことはできませんでした。

時代遅れを生む会社組織


日本企業は経営のスピード感にも欠けています。

村社会なので、コンセンサスを取るのに時間がかかるといった問題もあるわけですが、組織的な問題もあります。

日本では会社を機能別に分社化するケースがあります。

販売だけを別会社にしたり、生産だけを別会社にしたりするケースです。

これでは縦割り組織がさらに分断され、意思疎通に欠けて顧客との距離は遠くなるばかり。

機能別分社化は大量生産大量販売には都合のよい仕組みでしたが、新商品、新サービスの創造には不向きであり、日本の衰退を加速させたと考えられます。

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