収益のためなら煽りにも乗る。金のためなら魂を売る金融機関

風が吹けば桶屋が儲かるといいます。
金融の世界にあっては、財政破綻論が流行れば金融機関が儲かると言い換えることができます。
なぜなら日本国債の信用力が下がれば儲からない国債などを売らずに済むし、もっと高い手数料を稼げる海外の株式などで運用する投資信託をおススメする口実にもなるからです。
財政破綻論を利用する者
財政破綻を煽る総本山は財務省というのはわかり切ったことですが、コバンザメのようにそれを利用して乗っかる者もいます。
その一つが銀行や証券会社などの金融機関です。
なにしろ国債を売っても手数料は微々たるもの・・・。手間ばかりかかって元は取れない金融商品なのです。
例えば個人向け国債の現状の手数料体系は以下のとおりです。

(出所:財務省)
2020年10月から手数料体系が見直され、長期間保有してくれれば手数料が若干多くもらえるようになりました。
しかし、金融機関にとってはチリのような数字であり、まったくインセンティブが高まるような変更ではありません。
個人向け国債を売っても儲からない
例えば個人向け国債10年を1000万円で買ってくれた人が満期まで保有したとすると金融機関がもらえる手数料は5.4万円となります。
他の金融商品に比べると一桁落ちる金額です。
とある投資信託を例に考えてみます。
ある投資信託の購入時手数料は3.3%(税込)。信託報酬は年率1.925%(税込)となっています。信託報酬のうち、販売会社の取り分は年率0.88%(税込)です。
1000万円で買って、値動きはしないものと仮定し、10年保有してくれるとどのくらいの手数料が金融機関に落ちてくるのでしょうか。
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投資信託ならばぼろ儲け
まず販売時に33万円。これだけで個人向け国債の約6倍です。
これに加えて、1年あたり8.8万円がちゃりんちゃりんと入ってきます。10年で考えれば120万円以上が転がり込んでくる計算です。
バカらしくて個人向け国債など売っていられないというのがわかると思います。
最後に
個人向け国債10年は半年ごとに金利の見直しがあり、インフレにも強いといえます。
近頃の経済状況では魅力的な金融商品だと思いますが、大々的に宣伝されていることを見ることはありません。
なぜなら金融機関にとっては儲からないから・・・。
たとえ良い金融商品であっても、金融機関にとってうま味がない商品は金融機関は勧めてきません。
だとすれば自分で勉強して魅力ある商品をかぎ分けられる金融リテラシーを磨くほかありません。
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