オフィスの空室率が低下、しかし賃料は下落。Jリートも新たな均衡点を模索

オフィス系あるいは総合系Jリートを保有している投資家にとっては久しぶりの朗報といえるのではないでしょうか。
しかし、それは手放しでは喜ぶことのできない微妙な朗報なのです。
オフィス需要に下げ止まり感
東京都心のオフィスはコロナ騒動発生後、ひたすら空室率が上昇を続けてきました。
テレワークの浸透、業績悪化あるいはその懸念により、2020年2月にはわずか1.5%ほどしかなかったオフィスの空室率が、2021年10月には6.5%程度にまで急上昇したのです。
しかし、この流れにもいよいよ歯止めがかかりました。
2022年11月の空室率はわずかとはいえ低下したのです。なんと1年9か月ぶりの低下となります。
まだまだ6.4%程度と高水準とはいえ、オフィス需要を取り巻く環境は好転しつつあるようです。
好転のきっかけはやはりコロナ騒動の沈静化です。
実態は値下げによるテナント募集
しかし、手放しで喜んでいいのかと思えばそうでもなく・・・。
残念ながら賃料の下落には歯止めがかかりません。
テナントの募集賃料は2021年11月も下落を続けており、16か月連続の下落となっています。オフィス需要の好転はいわばバナナの叩き売りによるものともいえます。
賃料が安くなったからテナントを拡張しようとか、移転しようという動きが出てきただけであり、景気好転による需要拡大ではなく、薄利多売による需要拡大といったところ。
空室率が減少して引き合いが多くなり、賃料が上昇するという正のスパイラルではないのが悲しいところです。
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Jリートに占めるオフィス
なにしろJリートに占めるオフィスの割合は大きい。
Jリートが保有する不動産の半分近くはオフィスが占めています。

(出所:国土交通省)
これはアメリカのリート市場における投資対象と比較すれば明らかです。

(出所:国土交通省)
先行きが不気味な感じ
チャート分析は好きでもありませんが、Jリートのチャートは何やら不気味な形状です。
デットクロスで先安を暗示しているようにも見える。1900ポイントくらいまでは下げを覚悟しておいたほうがよさそうな気配です。

オフィス需要の下げ止まりは見られますが、収益という面では一段下がったという印象であり、Jリート相場の居所も新たな均衡点を探しているようです。
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