アメリカでリートが絶好調!!!その要因は???

日本のリート市場はともかく世界のリート市場は好調です。
とりわけ絶好調なのがアメリカ。
リートの時価総額がコロナ騒動前を上回っているという好調ぶりです。いったいどうなっているのでしょうか・・・。
リート市場、アメリカの独占状態
アメリカでリートが誕生したのは1960年。一方で我が国では2000年。
日米では40年もの歴史の差があるのがリート市場の実態です。当然アメリカの市場規模は莫大であり、世界のリートの時価総額のうち、半分以上をアメリカが占めています。
以下は2021年7月末の世界各国のリート市場の時価総額の比率を示しています。

(データ出所)S&P Dow Jones Indices LLC、Bloomberg
実にアメリカが7割近くを占めていることがわかります。
日本は歴史が浅い割に健闘しており、世界第2位のリート市場にまで成長しています。
アメリカ一人勝ちの構図
その後もアメリカを中心にリート市場が伸びていますので、現状のアメリカ市場のシェアは7割をゆうに超えているものと推測されます。
アメリカのリート市場の時価総額は2019年末の水準を25%も上回っており、もはやコロナ騒動の影響はないといえます。
とりわけ上昇しているのが住宅型のリートで、その値上がり率はコロナ前の約5割増しとなっています。
ワクチン接種で一息ついたことから、それまで不調であったオフィスやホテルも回復してきました。
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リートが好調な要因、そして日本がダメな要因
それにしてもなぜアメリカのリート市場は好調なのか?
その原因の一つがインフレ懸念です。
不動産は株式同様インフレに強いため、インフレヘッジとして資金が流れ込んでいるものと考えられます。
一方でインフレ懸念が小さい日本は相対的に伸び悩んでいるという図式となっています。
以下は日本の消費者物価指数(CPI)の推移です。

(出所:ニッポンの数字)
これには値上がりしているガソリンなどのエネルギー価格や生鮮食品が含まれています。それでもなんとかプラスに転じた程度です。
エネルギーや生鮮食品を除いたコアコアCPIにいたってはデフレが加速しています。

(出所:ニッポンの数字)
これではJリートの値上がりが鈍いのもわかろうというものです。
物価の下落に拍車がかかっているのに政府の動きは鈍すぎるし、バラマキだ~などとご批判を繰り返す新聞はまったく的外れな主張を展開していることは明らかです。
合成の誤謬を打破する積極財政が求められる
世界各国はコロナ騒動前にデフレで苦しんでおりません。よって、モノの値上がりを当然のように受け入れます。
しかし、日本は30年近くデフレに苦しんでおり、リストラや失業の恐怖から未だ立ち直っていない。
節約志向が骨の髄までしみ込んでおり、これは容易には払拭できません。もはや入れ墨のように刷り込まれているといってよい。
この病を治せるのは政府しかおらず、国債を大量に発行して積極財政(これをマスコミはバラマキという)を行いインフレ目標を早期に達成するほか、日本経済の復活はありません。
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