自社株買いは是か非か。投資に冷や水をぶっかける岸田政権

滝

貯蓄から投資へ。

長らく国是の如く叫ばれていたものの一向に実現しなかった投資への流れがようやく広がり始めています。

しかし、その流れを止めようと冷や水をたびたび浴びせる者がいる。

岸田政権です。






貯蓄から投資への流れを堰き止める


日本証券業協会の調査によれば個人の証券投資について必要と考えている人が3割を超えてきました。

3年前にくらべ、大幅に上昇しています。

老後2000万円問題、つみたてNISAやイデコの人気上昇、コロナ禍での株価上昇などの複合要因によるものと考えられます。

ところがこの流れをたびたび堰き止めようとするのが岸田氏・・・。

総裁選時には金融所得課税強化を打ち出し、1億円の壁の矛盾を無くすという。しかし、実際にそんなことをすれば大多数の庶民投資家への負担のほうが大きくなります。

その発言は株価の暴落にまで発展し、その話はいったん消え去りました。

降って湧いて出た自社株買い規制論


そして次に出てきたのは自社株買いの規制です。

企業が内部留保を貯め込んでいるという批判があり、株主からの還元要求が強い上場企業では内部留保を活用して自社株買いを行うケースが多くなっています。

発行済株式数が減るのですから1株当たりの利益が増えて株価上昇の原動力になるというのがその理由です。

一方で株主ばかりが利益を享受する株主資本主義、そしてその背後にある新自由主義への批判が高まっています。

企業は内部留保を貯め込むのではなく従業員の給与を増やすべき、設備投資を増やすべきという意見です。

今回の岸田発言はその批判が背景になっているものであることは間違いありません。

自社株買いは悪なのか?


それでは本当に自社株買いは悪なのでしょうか。

自社株買いの肯定論としては、内部留保ばかり貯めて、新たな投資をしないのであれば株主に資産を返すべきだという考え方があります。

とりわけキャッシュリッチで株価が低迷していればその圧力は強くなる。

株主としては何やってんだ?という疑念が湧き上がるのは当然のことです。

一方、自社株買いの否定論としては、会社を安定的に存続させるために手元資金を温存し、不測の事態への備えておくには豊富な内部留保が必要という考え方があります。

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置かれた立場で人それぞれ


どちらが正しいと感じるかはその人の立場によって大きく異なることでしょう。

自社株買いが規制されれば、不況時でも発行済株式数が減らないから株価が下がることで調整されるほかありません。

株主であれば看過できないと感じるはずです。

従業員すら考え方によって賛否は分かれるでしょう。

給与は低くてもよいから失業したくないと考える人は内部留保を大きくすることに賛成するでしょうし、とにかく高い給与がほしいと考える人は内部留保を貯め込むことに反対するはずです。

過度な自社株買いを行っているアメリカ社会がいかに従業員をないがしろにしているかはコロナ騒動下での失業率の動きを見れば明らかです。

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(出所:社会実情データ図録)

コロナ騒動が始まった後、各国とも概ね失業率は上昇しているわけですが、アメリカの上昇が際立っていることがわかります。

岸田政権の的はずれ


岸田首相の的はずれなところは企業がなぜ内部留保を厚くしているかを考えていない点にあると推測します。

日本が経済成長すれば企業とて内部留保などするはずがない。

新たなビジネスチャンスがあれば積極的に設備投資をしてお金を回していくに決まっています。

問題なのは日本が経済成長をしないことにあり、その責任は長らく日本政府と日本銀行にあったわけです。

しかし2013年以降、日本銀行はできる限りのことをしており、現状の責任はすべて政府にあると言ってよい。そして、政府を動かせない政治家にも大いに責任があります。

また、政府の出す情報を鵜呑みにして的外れな情報を垂れ流すマスコミとそれを信じる国民も責任を逃れることはできません。

最後に


岸田首相には自社株買いの規制などと言う前にまずはデフレからの脱却を実現してもらいたい。

そうすれば企業の内部留保は必然的に減少し、自社株買いなどという消極的利益還元でなく、成長による売上増、配当増、給与増が期待できます。

デフレは奪い合い(給与減、失業など)を起こしますが、適度なインフレは皆を満足させる分配を可能とします。

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