日本人に見放されつつある日本株。沈没船から逃げる鼠のよう

貯蓄から投資の流れは確実に広がっています。
しかし、その投資先は日本ではないというのですから複雑な思いにかられるのは私だけではないでしょう。
投資への流れを作ろうというのは日本企業の資金調達手段を多様化させるためであるはず。しかし、投資先が海外ではその目的は達せられません。
自国民にすら見捨てられつつある日本市場・・・。いったいこれは何を予見しているのでしょうか。
投資人口は増えてはいるものの・・・
証券口座の数を見ても、投資人口が増えているのは明らか。
第二次安倍政権誕生前の2012年9月、証券口座数は2100万口座でしたが、直近2021年9月には2876万口座にまで増えており、10年足らずで800万口座近く証券口座が増加しています。
とりわけコロナ禍での株高と外出自粛やテレワークの広がりにより、この2年間は特に加速的に増加しています。
さぞかし日本株は上昇しているかと思えば、日経平均3万円乗せの後は泣かず飛ばずの状況が続いており、好調なアメリカ市場と比べるとお寒い限り・・・。
以下は日経平均、JASDAQ、S&P500、NASDAQの値動きです。

アメリカに比べて日本の停滞がわかります。とりわけNASDAQが好調なのに対し、JASDAQが低調。日本の新興市場の不調が目に余る。
自動車産業を筆頭に旧来型の重厚長大産業が落ち目となっていく中で、日本は新しい企業もなかなか育ちにくい環境であることがわかります。
日本株パッシング
そんな日本株市場に見切りをつける個人投資家が増えています。
それは投資信託市場の動向を見ても明らか。2021年、海外株式のファンドは7兆円以上の流入超なのに対し、日本株式のファンドは400億円以上の流出超・・・。
新規に投資を始める人、あるいは追加資金を出す人のほとんどが海外資産に投資しているといえます。日本株を売却して海外株式を買う人も珍しくなくなってきました。
こんな状況では日本株が上がるわけがない。
ニューマネーが向かっている先は主にアメリカ市場。先進国の中でもとりわけ成長が期待できるアメリカに資金が集中します。
岸田ショックの恐怖
投資家が日本株の将来性に疑心暗鬼となっているのは岸田首相の掲げる政策の影響も大きい。それは主に2つ。
金融所得課税の重税化と企業の自社株買い規制です。
今のところ、実現はしていませんが、いつやり出すかわからない恐怖が日本株投資を慎重にさせているといわざるを得ません。
いわゆる「岸田ショック」です。
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大口投資家の買い余力も少なく
ここ数年来、日本株の大きな買い手はGPIFと日本銀行でした。
しかし、この状況にも変化が表れてきています。それは需給悪化を懸念させる悪い変化です。
世界一の規模を誇る機関投資家、GPIFの資産構成は以下のとおりです。

(出所:GPIF)
日本株の比率は25%が基準となっており、現状既に25%前後に達しています。今後、年金をもらう人は増える一方なのですから、GPIFは資産を取り崩しながら資産構成比率を維持するほかありません。
そうなると日本株も少しずつ売却していかざるを得ませんから、当然需給悪化要因となります。
日銀のETF買いも細るばかりで今年度はほとんど買いをいれていない。現状の株価水準は買い支えるほどの安値ではないと日銀は判断しているものと推測します。
最後に
個人投資家からは見限られ、GPIFは買い余力がなく、日銀は動かない。海外の投資家も円安を警戒して買いに入らない。
まさに四面楚歌となりつつある日本市場・・・。2022年も大きな期待はできそうもないと考えます。
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