自動車すら差別化が難しくなっている中、タイヤの差別化はほぼ無理

自動車のEV化が進めば、家電の如く自動車もコモディティ化していくことが予想されます。
フィルムカメラがデジタルカメラに取って代わられる中、従来のカメラメーカーは電機メーカーのカメラという新たな競合の出現で競争が激化し衰退したようにです。
そして今やスマホがカメラ代わりとなり、高級一眼レフカメラ以外にデジタルカメラの存在感はなくなりました。
自動車にも今後似たようなことが起きるのでしょう。
それよりもさらに厳しい業界があります。一段と差別化が難しいタイヤ業界です。
差別化が難しいタイヤという商品
どんな自動車にもタイヤがついているわけですが、当然形は円形のみ、色は全て黒となります。
余程のマニアでもない限り、クルマについているタイヤのメーカーなど見る人はまずいないといってよいでしょう。
要するに最低限の機能と安全性を満たしてくれれば、タイヤなど見栄を張る必要もない単なる消耗品です。
レーシングカーでもない限り、この日本において100キロを大きく超えて走ることなどありえず、求められる性能はそれほど高くない。
そして現状のタイヤの性能は過剰スペックともいえます。
アジアンタイヤの台頭で、タイヤの価格はピンからキリまであり、高級タイヤ1本分で安価なタイヤなら4本揃ってしまうなどというのはよくある話です。
苦境のブリヂストン
日本が誇る世界的タイヤメーカーであるブリヂストンも厳しい立場に追い込まれつつあります。
台頭するアジアンタイヤの安値攻勢に押されっぱなしでどんどんシェアを落としています。
2000年には世界シェアのうち20%を占めていましたが、2014年には14%にまで落ち込んできています。
タイヤ事業に加えて他の事業も不振に陥る中、コロナ騒動もありブリヂストンは2020年12月期には69年ぶりに赤字となってしまいました。
何より株価がそれを語っています。ここ10年のパフォーマンスは日経平均をかなり下回っており、この傾向は最近より顕著です。今後とも苦しい状況が続くと考えざるを得ません。

ブリヂストンの打開策
天下のブリヂストンもリストラを余儀なくされ、2023年12月期までに世界の60工場を閉鎖または売却する意向です。
また人員についても約8000人が事業の売却により他社へ転籍となる見込みです。
今後はタイヤ事業をさらに進化させ、差別化を図るという戦略を立てているようです。具体的にはタイヤの軽量化、走行したタイヤのデータ収集と活用にその活路を見出そうとしています。
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アジアンタイヤの実力
当方、この10年あまりで3セットのアジアンタイヤを試していますが、日本製タイヤとの違いはまったく感じられません。
安全性に問題があるとも思えないし、パンクしたこともなく使用感にまったく問題はありませんでした。
そして価格は日本製タイヤの3分の1程度なのですからどう考えてもアジアンタイヤ有利としか思えない。タイヤにセンサーをつけて分析するなどと言われても具体的なイメージがわかず、メリットは感じられません。
見栄を張る必要もないので今後もアジアンタイヤを使い続けることになると思います。
流れは止まらない
形は円形、色は黒と決まっているタイヤでメーカーのロゴも至近距離でなければわからないタイヤにブランド価値など必要ない。
今後、有名どころでお高く止まっているメーカーはどんどん苦境に立たされると予想します。
唯一の救いはモーターにとって代わられるであろうエンジンと違って自動車はタイヤがなければ動かないこと、そして世界的に今後も需要は増えるだろうということです。
しかし、その勢力図は自動車メーカー同様、今後大きく変わっていくものと考えられます。
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