日本人の貯蓄好き。しかしそれは過去の話であった

貯金箱

日本人は倹約志向で貯蓄好きだと思っている人は案外多いのではないでしょうか。

2021年末、株高の影響もあって日本人の個人金融資産は2000兆円を初めて突破する見込みです。

デフレ不況の中でもこの30年間で倍増。これだけを聞けばまだまだ日本の経済力はすごいと感じてしまいそうですが、物事は何ごとも相対的に比べる必要があります。

いったい日本人は本当に豊かになっているのでしょうか。






日本人の賃金、まったく上がらず


ここ30年というもの、バブル崩壊そしてデフレ不況により、日本人の給料はほぼ横ばいで全く上昇していません。

以下は1992年からの実質賃金です。

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(出所:ニッポンの数字)

リーマンショック前をピークに日本人は毎年確実に貧しくなっていることがわかります。

以下は同年からの名目賃金です。

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(出所:ニッポンの数字)

1990年代後半から、なんと額面ベースで給料が減少したことがわかります。

にもかかわらず、実質賃金が上昇傾向にあるのは単に物価下落(デフレ)によるものです。

リーマンショック後に名目賃金が上昇しているのは、黒田バズーカによる大規模金融緩和の効果と団塊世代の大量リタイアと少子化による労働人口が減少がうまくはまったためです。

その結果、人手不足が発生して賃金アップをせざるを得なくなった結果であろうと考えられます。

しかし、若干ではありますがそれ以上に物価が上昇したため、実質賃金の減少傾向は継続しており、実質的に日本人の貧困化に歯止めがかかりません。

日本人の貯蓄好きは単なる虚構


日本人は貯蓄好きと言われていますが、それは単にイメージであり、もはや真の姿とはいえません。

日本の家計貯蓄率は1970年代半ばがピークであり、それ以降下がり続けています。

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(出所:社会実情データ図録)

世界的に見ても日本人の貯蓄率は決して高くなく、昭和時代のイメージが未だ残っているだけだろうと思われます。

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(出所:社会実情データ図録)

平成以降、日本人は貯蓄したくてもそんな余裕はないというのが悲しい現実ではないでしょうか。

日本人の個人金融資産が30年間で倍増し、2000兆円となったといっても、アメリカは30年間で6.7倍に増加し、1京2900兆円にも達しているのですから比べ物にならない。

それでも中流意識は高いという不思議


今だ日本に中流意識が高いのは単に島国で井の中の蛙であり、世界を知らないだけと言えると思います。

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(出所:社会実情データ図録)

また日本だけが中流意識が高いかと思えばそうでもない。

アジア太平洋諸国を見ても中流意識は概ね高いことがわかります。

20211231tyuuryuu2.jpg
(出所:社会実情データ図録)

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アメリカの病巣


アメリカはとんでもない個人金融資産を抱えているわけですが、これまた問題が多い。

一部の金持ちが政治家を動かして法律や制度を歪め、金持ちがますます金持ちになるような仕組みが完全に出来上がっています。

このシステムについて国際政治アナリストの伊藤貫さんが鋭く指摘しています。



最後に


コロナ騒動後、少子高齢化、社会保障費の増大、政府債務の多さなどをキーワードとして増税論が湧き上がってくるはず。

しかし、デフレ下の増税は日本人をますます貧困化させるだけであり、過去の経験から学ばなくてはならないといけないと考えるのであります。

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