自動車のEV化はカメラのデジタル化とそっくりの構図なのだが・・・

世の自動車産業の流れが急激にEV化へ向かっているのはご存じのとおりです。
今年(2022年)1月4日にはソニーがEVに参入することを表明しました。
このような他業態からのEV業界への参入は日本だけではなく世界でも進んでいます。
一昔前にフィルムカメラがデジタルカメラに駆逐されたときと似たような光景となってまいりました。
しかし、腑に落ちない点もあるのです。
巨大化するEV市場
ソニーはもともとEVには興味を示しており、2020年には試作車を発表しておりました。
いよいよ試作段階から本格参入への意志を示したのが2022年ということになるのでしょう。
アメリカの調査会社によれば世界のEV市場は2030年までの累計で約810兆円にもおよぶ巨大市場になりそうです。
自動車大国アメリカでもEV促進の動きが加速しており、もはや後戻りはできない状況になっています。
それにしても驚かされるのはアメリカは自動車市場でナンバーワンではないという事実。

(出所:GLOBAL NOTE )
もはや中国が圧倒的な市場シェアを誇り、アメリカ、日本、ドイツを足しても中国市場に満たないという巨大市場に成長しています。
他の新規参入者たち
他業態からの参入は無論、ソニーだけではありません。
メジャーな企業ではアップルもEVへの参入を進めているようであり、自動車関連の人材獲得に奔走しています。
また中国ではファーウェイが、台湾では鴻海(ホンハイ)がEV参入を目指しています。
EVはカメラのデジタル化を彷彿とさせる
電気自動車といわれるだけあり、新規参入は電機関係やIT関係企業ばかりというのが特徴です。
これは1990年代後半からのカメラの急速なデジタル化を思い起こさせます。
それまでのフィルムカメラは2005年あたりにはほとんど無くなり、わずか8年程度で市場から完全に駆逐されてしまいました。
たった8年で数十年の歴史を持っていたフィルムカメラが無くなってしまったのは驚きとしかいいようがない。
そしてそのデジカメもスマホのカメラに席巻され、もはや高級一眼レフ以外に存在価値はなくなったという時代の移り変わりの早さです。
今、カメラといえばソニー、キャノン、ニコン、パナソニック、オリンパス、富士フィルムあたりが主流でしょうか。
デジタル化される中でもキャノンやニコン、オリンパス、ペンタックス、富士フィルムは生き残ることができました。
しかし、コニカ、ミノルタなどは完全に撤退し、市場シェアの多くを新規参入企業が奪い取る格好となりました。
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カメラ業界の超急速な変化
フィルムカメラが駆逐されたのは理解できます。
なにしろ、最高でも36枚しか撮ることができないし、失敗しても削除などできない。
写した写真はフィルムを現像に出さなければ見ることができないし、デジタルカメラのようにデータで送ったり保存したりすることもできません。
紙で保存するほかないし、人にあげたいと思えば、フィルムを再度現像に出さなくちゃならない。
なつかしいといえばなつかしいのですが、今とは隔世の感があります。たった20年前の話なのですが・・・。
自動車産業≒カメラ産業?
自動車産業に起こっているのは上記のカメラ産業に起きたことと似ています。
しかし、書いていて感じるのは、カメラは圧倒的に便利になったためにデジタルカメラに駆逐されたことは理解できますが、EVにそんなメリットがあるのかという点です。
充電には時間がかかるし、後続距離が長いわけでもない。
安いわけでもなければ安全性が増すというわけでもない。
にもかかわらず、EV化がさも当然のように語られるのはいささか腑に落ちないのです。
最後に
どこかの誰かが強烈な意図を持ってEV化を進めてきたとしか思えない。
だって、EVになってもカメラのように劇的に利便性が向上することなど想像できません。
現状ではむしろ不便になるといっても過言ではない。喜ぶのは環境保護至上主義者くらいでしょうか。
ルールを変えることで、EV関連株で大儲けする、あるいは直接事業で大儲けするという特定の人間の意図が透けて見えます。
EVはカメラのような利便性という必然性がない。そこで環境問題を錦の御旗に掲げているとしか思えないのです。
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