2020年代に第三次石油ショックが起こる可能性

原油価格が高騰しています。
コロナショックで一時は20ドル割れまでいったのに今はその約4倍にまで値上がりしました。この流れは今後どうなるのか。
エネルギー関係に詳しい経済産業省の藤和彦さんの分析は非常に興味深いものがあります。
第3次石油ショック勃発の可能性
1970年代、二度にわたって石油ショックがあったことを覚えている人は今でも多いのではないでしょうか。
トイレットペーパーが買い占められたり、モノの値段が上がって狂乱物価といわれたりしたものです。
そして、藤氏によれば今後2030年にかけて第3次石油ショックが起こる可能性があるのではないかというのです。
石油の需給動向をつぶさに観察している第一人者の言葉だけに単なる憶測と切り捨てることはできません。
コロナと石油価格は無関係?
以下はここ最近の原油価格の推移です。

2021年以降、上げ下げを繰り返してはいるものの確実に右肩上がり傾向となっています。
これが昨今のガソリン価格の高騰の要因でもあります。
コロナ禍における価格上昇であるため、コロナが去れば再び値下がりするのではないかというのが素人考えなのですが・・・。
専門家である藤氏の見方はまったく違ったものでした。
石油開発投資は右肩下がり
値上がりをしているとはいえ、地球から石油がなくなりつつあるわけではありません。
石油は掘ればいくらでもあります。
しかし、新たな油田を掘るのにはお金もかかるし、時間もかかる。最低でも5年はかかるといいます。
また、一本の油田を掘るのに100億円規模のお金もかかります。巨額の投資が必要なのです。
2010年くらいまでは世界で年間8000億ドルほどの投資がなされており、増え続ける石油の需要に応えていました。
しかし現状では投資額が年間3400億ドルまで落ちているといいます。
5000億ドル程度の投資がなされないと、今後間違いなく供給不足になるというのが藤氏の見立てです。
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需要は減るが供給はさらに減る
サウジアラビア政府の予測によれば2030年には世界の石油需要は現状の1日1億バレルから9000万バレルに減少します。
脱炭素の動きから需要は1割程度減るという予想です。
しかし、供給はそれ以上に減少する見込みです。現状の減少が続けば2030年には1日7000万バレルにまで減少すると見られています。
要するに2030年には1日2000万バレルの供給不足に陥るというわけです。
これが第3次石油ショックが起こるのではないかという根拠となっています。
脱炭素の流れで身動き取れず
現状、世界的に脱炭素などと声高に叫ばれているわけですが、実のところ真面目に取り組んでいる国はほとんどないというのが実態です。
そのため石油の需要はほとんど減少していません。
しかし、脱炭素というきれいごとが正当化され、石油への投資は加速的に減少しています。
今から石油を大々的に採掘しようとすれば世界の悪者になりかねない。
そんな空気が世界を覆っており、建前で世界が動いているため、2021年は新規の油田の発見が75年ぶりの低水準となってしまいました。
最後に
こんな状況ですから2020年代、石油の供給不足は続くと見られます。
その割に需要は減らない。当然価格は上がるというわけです。
2030年まで、石油は上がることはあっても下がることはないと考えられ、近い将来1バレル100ドルを再び超える可能性が高いと思われます。
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