最近やたらと年金の繰下げ受給の記事が目立つがホントにお得なのか

日本のデフレ脱却の阻害要因の一つとして、60歳でリタイアする人が65歳の年金受給までの空白期間を埋めるために熱心に貯蓄に励んでいることがあるというのが個人的な考えです。
もちろん、繰上げ受給はできるものの支給額はかなり減りますし・・・。
ところで最近、新聞などを見ているとやたらと年金の繰下げ受給について紹介されています。要は繰り下げたほうが有利になると言いたいのでしょう。
しかし、実際のところどうなのか、検証してみることにしました。
いったい何歳まで生きられる?
人間、何歳まで生きるのかはわからない。そして公的年金は終身年金であるからして生きている間はずっともらえる。逆に言えば死んでしまえばもらえない。
というわけで、いったい自分が何歳まで生きるのか予想しながら年金の受給開始年齢を考える必要があるというわけです。(その予想はまったく当てにならないが・・・)
以下は主要国の平均寿命の推移です。

(出所:社会実情データ図録)
人生100年時代などといわれますが実際のところはそんなことはありません。
アメリカなどはここ数年で平均寿命はピークアウトし、新型コロナでさらに大きく下がりました。
受給年齢による累計年金額イメージ
年金受給を1か月遅らせると0.7%(年率8.4%)増え、1か月早くすると0.5%(年率6%)減少します。
65歳で受給する標準的パターンを100とし、70歳に繰り下げたケース、60歳に繰り上げたケースを比較してみました。

これをグラフ化すると以下のようになります。

グラフから導きだせること
上記のグラフからいえることは以下のようなことです。
・75歳くらいまでに亡くなるなら60歳からもらったほうがいい。
・80歳くらいまでに亡くなるなら65歳からもらったほうがいい。
・それ以上長生きするなら70歳からもらったほうがいい。
それでは一般論で考えてみましょう。
厚生労働省の簡易生命表(令和元年)によれば男性が75歳まで生きる確率は約75%、80歳まで生きる可能性は約60%ほどです。
ちなみに90歳までとなると一気に15%ほどに下がり、男性の2人に1人は80歳代に亡くなるといってよいと思います。
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一般論としての結論
これらを総合的に考えると約75%の確率で繰上げ受給をすると損をすることになり、繰り下げて得をする確率は約5割といったところになります。
長生きの家系であれば繰下げ受給を検討する余地が高く、短命の家系であれば早めにもらっておいたほうがいいという結論となります。
一般的に考えれば65歳というのは妥当な選択となります。
なお、女性は男性よりも長寿命ですから繰下げ受給のほうが明らかに有利になるはずです。
最後に
65歳まで社畜としてバリバリ働くのはなかなかしんどい。
フリーランスなどでマイペースで働ける人ならともかく、会社員は会社のペースに合わせなくてはならないという悲しい現実があります。
夢のない話となってしまいました。青年老いやすく、学成り難し。
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