この時期に米国株信用取引解禁!?破産者続出の可能性

2022年7月から米国株式の信用取引が解禁されます。
検討段階では米国株は堅調だったに違いない。しかし、細かい事項を詰めて決定し、発表する段階になったら米国株を取り巻く環境はすっかり変わりつつあるといったところだと思います。
米国株は若年投資家に人気です。
しかし、信用取引には現物取引にはないレバレッジリスクがあります。また日本株とは違う取引慣行もあります。
今まで成功していた投資家が、調子に乗って軽い気持ちで手を出せば大きな痛手を被る可能性が高いと見ます。
信用取引の危険性
信用取引は一定の保証金を積んで、証券会社からお金あるいは株式を借りて取引をする手法です。
保証金以上の資金や株を借りることができるため、小さい資金で大きな取引ができます。いわゆるレバレッジを利かせることができるわけです。
資金効率がよいということは、反面危険性が高いということでもある。
信用取引で失敗して投資元本をすべて無くし、借金だけが残ったという投資家も相当数います。
ではそんな危険な取引がなぜ認められているのでしょうか。
信用取引の存在価値
信用取引の存在意義として挙げられるのは、市場の流動性を高めるという機能です。
流動性の低い市場では株を処分したくてもなかなか売れないといった事態が発生します。どうしても売りたいとなればバナナの叩き売りのように投げ売りをせざるを得なくなり、想定外の安値で売却しなければならなくなる。
そんな市場に魅力があるわけがなく、市場参加者は少なくなり、市場はまともに機能しなくなります。
その点、信用取引により市場参加者を増やし、取引を活発化すれば流動性リスクが減少するというわけです。
市場の価格発見機能の強化
また、信用取引による取引参加者の増加によって期待される点として市場による価格発見機能の強化が挙げられます。
多くの人が市場に参加すれば株価は多くの人によってあらゆる手段で評価されます。
それにより、より妥当で適正な株価で評価される可能性が高くなります。
信用取引によって市場参加者が増えればより適正な株価が形成される可能性が高くなるというわけです。信用取引にはこのような存在価値があります。
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米国株信用取引の仕組み
今回導入される米国株の信用取引の仕組としては保証金の比率は50%必要、そして追加保証金の差し入れが必要となるのは株価が20%超下落して、保証金の比率が30%割れとなったときとなります。
日本株では保証金率は30%、追加保証金の差し入れは20%未満ですから、日本株よりも厳しい基準となっています。
取扱銘柄も保守的といえ、S&P500採用銘柄、NYダウ採用銘柄のほか、時価総額が50億ドル以上の大型株などで銘柄数で約1300銘柄となっています。
まずは安全にスモールスタートといったところでしょう。
危険を覚悟して取引を
安全性に配慮した米国株式の信用取引導入ですが、日本株とは違うリスクもあります。
まず、米国株には値幅制限というものがありません。日本の市場でいうとストップ高、ストップ安というものです。
よって、いきなり株価が半分以下になることもあり得る。
保証金を目いっぱい使って信用取引をしていれば、一晩で何もかも失う可能性があるということです。
ましてや、2022年の米国株式市場は波乱含みといえます。
インフレ懸念から金利は上昇、相対的に株式の魅力が低下しつつあり、市場には恐怖感が漂い始めました。
今まで順調だった投資家が欲をかいて信用取引に手を出せば、すべてを失う可能性がある。
ましてや米国株は他国の市場ですから、日本人が米国株式の流動性や株価の価格発見機能の強化などを考える必要はありません。したがって信用取引を導入する意義も薄いと考えます。
米国株信用取引の導入は証券会社の意向を汲んだものと思わざるを得ない。
投資家は信用取引そして米国株市場の特性を十分に認識して取引を始める必要があります。
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