貧困老人であふれかえる日本の将来。政府は早く路線変更を!

まったくもって不十分な金額とはいえ、国民年金が日本人の老後を支える基礎的土台であることは疑いようもありません。
保険料を支払うべき人は払って当然だし、生活が困窮している人を除けばほとんどの人が払っているかと思えばまったくそうではありません。
国民年金保険料を支払わずして、自分の老後をどのようにしたいのか、未払いの人に聞いてみたいものです。自分は死ぬまで働くつもりだなどと具体的な計画があるのならばまだわかる。
しかし、人間いつまでも健康ではいられないし、いずれ働きたくても働けないときがくるものです。
そのときになって後悔しても遅いと思うのですが・・・。
国民年金保険料すら払えない人が5人に1人
自営業者など国民年金の対象となる第1号被保険者で、国民年金保険料を払わない人の割合が高止まりしています。
以下は保険料納付率の推移です。

(出所:厚生労働省)
納付率は景気動向と密接な関係にあることがわかります。
リーマンショック後に落ち込み、そして第二次安倍政権後に持ち直してきていることがわかります。
とはいえ、それでも8割未満となっており、5人に1人以上は納付していないというのが実態です。
若年層は10人に3人
年齢別の納付率を見るとさらにショッキングな数値となっています。

(出所:厚生労働省)
25歳から29歳までの納付率がかなり低い。
これは、若年層の失業率が高いこと、またアルバイトなどの非正規雇用が多く、保険料を支払えない実態があるものと思われます。
また、不払いを正当化するのが、年金制度など当てにならないという理屈なのでしょう。
デフレのつけは若年層へ
以下は年齢別の失業率の推移です。

(出所:労働政策研究・研修機構(赤丸は加筆))
特徴的なのは1990年代後半から25歳~34歳の失業率が他の年代に比べて上方に乖離している点です(赤丸部分)。
デフレの犠牲となったのが若年層であったことがよくわかります。
24歳までについてはさらにその前から大きく悪化していることもわかります。これはバブル崩壊の影響に違いありません。
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非正規雇用でゆとりなし
デフレによって増えたのが、非正規雇用です。
以下は非正規雇用者比率の推移です。

(出所:社会実情データ図録)
バブル崩壊以降、若年層ほどその増加率が高いことが見て取れます。
非正規雇用は正規雇用に比べて圧倒的に賃金水準が低い。

(出所:内閣府)
非正規雇用者の賃金は正規雇用者の賃金の約半分といったところです。これではなかなか年金保険料を支払うゆとりが出てこないのだろうと思います。
最後に
国民年金保険料も支払えないような世の中にした責任は、プライマリーバランス黒字化を目指して緊縮財政に走った政治家、官僚、そしてそれを正当化したマスコミ、有効な金融政策を打たなかった日本銀行にあります。
政府は、ケインズ的経済政策で公共事業を大胆に増やすとともに、消費減税で家計負担を小さくし、さらに教育費支援により学費負担の大幅に低減することが求められます。さもなくば少子化は止まらないでしょう。
そして20年後には貧困老人で街があふれかえることになってしまいます。
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