仕組債を売る金融機関が顧客本位を叫ぶという大嘘。ぼったくり商売!

仕組債を販売しているのは証券会社だけだと思っていたら、最近はそうでもないらしい。
なんと収益が厳しい地方銀行がなりふり構わぬ金儲けのために、顧客目線などそっちのけで仕組債の販売に勤しんでいるというのだから恐れ入ります。
そのくせ、顧客本位の業務運営などと平気に嘘を垂れ流す。息を吐くように嘘をつくとはまさにこのことです。
こんなことを当局も黙ってみているとは許しがたく、もはや詐欺まがい商法を天下の銀行さまが行っているのですから消費者は誰も信用できないといってよいでしょう。
まさに油断も隙も無い世の中なのです。
仕組債はカラクリ人形
仕組債は高い利率で顧客の気を引く。しかし、その裏には当然カラクリが隠されているのです。
そのカラクリはデリバティブ取引の一つであるオプション取引を利用したものです。
オプション取引について書き出せば長くなりますので他に譲るとして、仕組債はオプション取引の売る権利(プットオプション)を売ることによってオプション料を受け取り、高い金利を確保するのが常套手段です。
しかし、オプションの売りは「利益限定、損失無限大」の取引なのです。
そのため、一定水準以上株価が下落すれば利益は吹っ飛び、損失がかさんでいくことになります。そして債券の名を借りた仕組債の元本は戻ってこなくなるというわけです。
この仕組債をめぐって、金融機関は顧客に対し、3つの裏切り行為をしているといえます。
(参考)プットオプションの売りの損益イメージ

仕組債のおそるべき手数料
仕組債を販売する金融機関は自らリスクを負わず、顧客にリスクを負わせます。それはまあよしとしましょう。
そして、金融機関は仕組債の購入者と同様のオプション取引を行うわけですが、その際に金融機関は受け取ったオプション料のかなりの部分をかすめ取ります。
金融機関も商売ですから常識の範囲ならばよいでしょう。しかし、仕組債は複雑な金融商品で顧客は素人ですから、ぼったくってもばれない。
当局によれば仕組債の実質的な手数料は5%から7%程度が多いといいますが、中には20%を超えるものもあるといいます。
100万円で投資しても、80万円で運用がスタートするようなもので勝ち目は著しく低いといえます。
トリックは明かさない
2つめの裏切り行為として、金融機関の消極的な開示姿勢です。
欧米でも仕組債は売られているわけですが、理論価格と販売価格が開示されるのが当たり前となっています。
その点、日本はブラックボックスに守られて実態不明の中、主に金融リテラシーが低くて、資産をたくさん持っている高齢者がハイエナどもの餌食にされています。
日本でも当局は仕組債の実質手数料を開示するよう求めてきましたが、金融業界はこれに抵抗。
それなのに顧客本位などと堂々と偽善を吐くのですから人間不信に陥らざるを得ない。金融機関の就職人気が大暴落するのもうなづけます。
誰しも嘘と偽善と欺瞞の中では生きたくない。豊田商事を思い出します。
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看板には偽りが堂々と
さらにひどいのは看板に偽りがあることです。
既に述べたように仕組債の手数料はボッタクリです。しかし、金融機関のパンフレットの手数料や諸費用欄にはなんと「購入単価のみお支払いいただきます」などと書いてあるのです。
まるで手数料などないかのように・・・。
手数料は購入単価の中に内枠で、しかも高率で課されているのにです。
これを詐欺的商法と呼ばずしてなんといえばよいのか。
最後に
仕組債を積極的に販売する金融機関は明らかに顧客と利益が相反しています。それも極度に。
合法的とはいえ、その手口はかなり悪質といってよい。マルチまがいならぬ詐欺まがい商法だといえます。
こんな商品に騙されたら大事な資産がどんどん減っていくことは間違いありません。
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