見栄っ張りは損をする。東証再編にみる不思議な現象

東証の市場再編までいよいよ1か月を切りました。1か月後には東証1部という市場がなくなると思うとなにか寂しいというか感慨深い。
なんと70年以上の歴史を誇っていたのですから。
ところで東証再編に向けた動きで不可思議な株価動向が見られます。それはまさに見栄っ張りは損をするということを表しているかのようです。
2022年4月、東証リニューアルオープン
米国の金利動向が懸念されていたところに、追い討ちをかけたロシアのウクライナ侵略で株式市場が揺れているのはご存じのとおりです。
ところで2022年4月からスタートする東証の新たな市場区分は以下のようになっています。

現状、東証1部に上場している企業はプライム市場の上場基準を満たしていなくても、改善計画書を提出すれば暫定的にプライム市場に残ることができます。
実際のところ、東証1部上場企業の8割以上がプライム市場への上場を選択しました。そのうち、約300社が改善報告書を提出してのプライム市場への移行となります。
逆張り銘柄が評価されている
一方で、プライム市場へ残る資格を有しながら、あえてスタンダード市場を選んだ謙虚な企業が約20社あります。
これらの企業がスタンダード市場を選択した日からその20日後までの株価推移は、TOPIXに比べて5%ほどパフォーマンスがよかったというのです。
反対にプライム市場への上場基準を満たさず、改善報告書の提出でプライム市場への上場を選択した企業の株価推移はTOPIXに比べて0.6%のマイナスとなっており、あえてスタンダード市場を選んだ企業のほうが株価が高くなっています。
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見栄を張っても将来が不安
たしかに背伸びしてプライム市場に残ったところで、改善計画書どおりに事が進まなければいずれスタンダード市場に振り落とされる可能性がある。
そんな企業の株を買うよりも、身の丈にあった市場を選んだ企業の株を買うほうがよいと考える人が多かったということでしょう。
事実、ある会社ではグローバル企業が並ぶプライム市場では企業規模で劣るため埋もれてしまう、またIRにおいて事実上、英文開示が求められることから負担も大きいなどの理由であえてプライム市場を避けたとのことです。
欲の皮を突っ張らせて見栄を張っても、投資家はそれを見抜いているということでしょう。
疑似バフェット指標(2022年2月末)
波乱万丈の2月相場が終わりました。
毎月検証している疑似バフェット指標で日経平均の居所を確認しておきます。
(疑似バフェット指標についてはこちらをご覧ください。)

株価は下落したとはいえ、過去42年の経験則からは許容される高値近辺に位置しており、決して割安水準とはいえません。
コロナバブルのスタート地点である24000円近辺にまで下落して結局行って来いになり、さらにそれ以上の下落もありうるというのが個人的見解です。
なぜなら岸田政権の経済政策は迷走を極めており、ほとんど財務省の操り人形といってよい。日銀の人事を見ても悲観にくれるのであります。
●日経平均株価

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