日銀の人事に見える今後の日本経済への不安と絶望

本当に岸田政権はだらしがない。これは投資家であればほとんどの人が賛同してくれるのではないかと思います。
ところで、アベノミクスの立役者(主役)であった黒田日銀総裁の任期もあと1年あまりとなってしまいました。
昨今の日銀人事を見ると、アベノミクス以前に先祖返りしているのではないかと考えざるを得ず、今後の日本経済には暗雲が立ち込めているように思えてなりません。
日銀審議委員という重要ポスト
2022年3月1日、政府は日銀審議委員の人事案を国会に提示しました。日銀審議委員とは、日銀の最高意思決定機関である政策委員会のメンバーです。
政策委員会は総裁、副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成され、年8回開催される金融政策決定会合で金融政策の方針などを決めていきます。
審議委員は日本経済の舵取り役ともいえる重要なポストなのです。
やたらと国債暴落を憂慮するエコノミスト
今回の人事案では金融緩和に積極的な現職リフレ派審議委員の後任として、岡三証券のエコノミストである高田創氏が就く予定です。
この高田氏、金融緩和に積極的なリフレ派ではなく、金融緩和に対して懐疑的なエコノミストであるといいます。
それは著書の題名にも垣間見えます。
「国債暴落」中央公論新社(共著)
「世界国債暴落」東洋経済新報社(共著)
「国債暴落-日本は生き残れるのか」中央公論新社
「異次元緩和脱出」日本経済新聞出版社(共著)
インフレファイターであることが容易に想像できる本のタイトルです。
現に高田氏は年金運用への影響や銀行の収益悪化といった金融緩和の副作用を懸念しており、インフレ目標へのこだわりはないようです。
日本経済の今後が危ぶまれるといってよいのではないでしょうか。
異次元金融緩和がもたらした光
異次元金融緩和がいかに日本を最悪期から脱出させたか。それはアベノミクス当初の黒田バズーカによるマネタリーベースの増加と株価の上昇、そして失業率の減少が顕著であったことからもわかります。
それらがいかに密接に関連しているか。以下を見れば明らかです。
●マネタリーベース

(出所:三橋貴明氏ブログ)
●日経平均株価

(出所:社会実情データ図録)
●失業率

(出所:ニッポンの数字)
黒田日銀が発足した2013年4月以降、いかにマネタリーベースが伸びているか、それにともなって株価が上昇し、失業率も右肩下がりであることがわかります。
そしてそれは自殺者の減少にも大いに貢献しました。
●自殺者

(出所:社会実情データ図録)
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岸田政権は財務省の操り人形
もう一人の審議委員人事は三井住友銀行の元役員で全国銀行協会にも在籍したことのある田村直樹氏が内定しているということです。
それにしてもこの人事案、財務省主導であると勘ぐらざるを得ない。明らかに異次元金融緩和を嫌悪しており出口を探しています。
しかし、それは日本経済を奈落の底に突き落とす。
そして、岸田政権は財務省主導の国家運営に完全に支配されており、操り人形だといえます。財務省にとって岸田首相は実に都合がよい総理大臣でしょう。
なにしろ騙しやすいし恐くもない。適当にあしらえばなんとでもなると考えているに違いありません。
うすら笑いが聞こえてきそうです。「岸田ならどうにでもなる」と・・・。
しかしながらそれは国民を窮乏させることになることは明らかです。
最後に
1年後、日銀総裁と副総裁2人も変わります。
このままではろくでもない人選が行われる可能性が高い。そうなれば株価はアベノミクス以前に行って来いとなる可能性すらある。
アベノミクスのスタート時、日経平均は12000円~13000円程度です。アベノミクスはアクセルとブレーキを同時に踏んだという意味で評価できない部分が多いですがそれなりの効果を出したことも事実です。
しかし、岸田政権ではそれなりの効果どころか悪影響しか見えてこない。岸田不況で株価は暴落する可能性が十分にあると考えておかざるを得ません。
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