仕組債のコスト開示。またもや中途半端対応でお茶濁し

蜘蛛の巣

日本証券業協会が、債券の名を借りた腐った金融商品の一つである仕組債について、ようやく金融機関にコストの開示を求めてきました。

遅きに失したうえに、中途半端な対応でまったくほめられたものではありません。それでも何もしないよりはマシだとはいえます。






腰が重すぎる者たち


仕組債なんて金融商品を購入する投資家は投資家と呼ぶにはふさわしくない。

被害者とでも呼ぶべきでしょう。

それほど仕組債という金融商品はたちが悪い。そんなことは先刻承知のうえで、半ば放置プレーをしてきた金融庁、日本証券業協会には不作為の罪があるといえます。

いわば詐欺師がいるのに見て見ぬふりをしてきたようなものです。

それでもようやく重い腰を上げ始めた。やっとです。

負けが決まったような勝負


ご存じのとおり、仕組債は複雑な金融派生商品(デリバティブ)を内包しており、株価指数や個別銘柄の株価、為替相場や金利などの動静により、元本を大きく毀損する可能性がある金融商品です。

金融機関は仕組債をいかにも手数料負担がないかの如く販売するわけですが、その実、手数料は投資家が払った投資資金の中から内枠でちゃっかりと、しかもたっぷり抜いているのです。

その手数料率は概ね5~7%程度とみられており、中には20%にもおよぶものもあるというのですからほとんど公営ギャンブルと変わらない。

競馬で儲け続けられる人はごくわずかでしょう。仕組債も同じことです。

とりわけ相場が荒れ始めた現在の状況においては、今後、大損をこいて裁判沙汰になる事案が頻発することは容易に推測できるというものです。

騙されるカモは何度も利用


さらにたちが悪いのは、相場が良くなり、投資家が大きく儲けられそうになれば早期に償還してしまうというふざけた仕組を多くの商品が採用していることです。

金融機関は投資家を出汁にして勝ち逃げしようという魂胆が見え見えなのです。

そして、早期償還したお金を再び別の仕組債に移させる。そうすれば手数料が何度何度も入ってくる。いわば債券の回転売買であり、悪徳商法の一つといって差し支えない。

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骨抜きの改革


今回、示された開示の指針では、投資家への販売価格と金融機関が組成会社から仕入れた仕入価格の差額が何%であるか開示するというものです。

組成会社が何%抜いているのかは依然としてわからない。ブラックボックスです。

そう、仕組債は販売会社と組成会社で手数料を分け合っているのです。獲物を分け合うハイエナみたいなものです。

しかも指針には強制力はないときたもんだ。

骨抜きの役立たずといってよいでしょう。

最後に


金融庁は組成会社にも開示を求めていますが、商品を組成する証券会社の抵抗が強いといいます。もはや腐り切っているとしかいいようがありません。

仕組債の組成会社や販売会社は金融業界の反社会的勢力ともいえる存在ではなかろうかというのが個人の感想です。

買ってはいけない。

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