物流施設に異変が。物流型Jリートの今後は期待薄

倉庫

コロナ禍における巣ごもり消費の恩恵を受けてきたJリートといえば真っ先に物流施設型のリートが挙げられるでしょう。

巣ごもりでネット通販が増え続け、結果的に物流施設の需要は旺盛となりました。当然、物流施設の資産価値も上がる。

というわけでここ2年ほど物流型のJリートは絶好調を維持してきました。

ところが、儲かるところには資金が集まるというか集まり過ぎる。また、にわかに巣ごもり消費も減退してきました。物流型リートの相場環境にも曲がり角がきているといえそうなのです。






好調な物流施設に変化が


物流施設の需給動向に変化の兆しがでてきました。

つい最近までは旺盛な需要に支えられて、賃料は上昇を続けていたのです。

しかし、ここに来て賃料の上昇に陰りが見え始めました。その理由は主に2つに集約されます。

過剰供給のリスク


まずは、ここ数年の物流施設の需要増大に応じて、物流施設の供給が急ピッチで進んでいることです。

首都圏を中心として開発ラッシュが続いており、2022年、2023年と連続して過去最高の新規供給が見込まれています。

供給過剰となれば値段は当然下がる。

物流型リートの稼働率はほぼ100%を維持していますが、今後も稼働率を高く維持するには賃料を下げざるを得ない局面に入っていくことが予想されます。

ネット通販伸び悩みリスク


2つめの理由として、ネット通販の伸びに陰りが出てきたことが挙げられます。

以下のグラフからもコロナ騒動が始まった2020年に物販系の電子商取引が爆発的に伸びたことがわかります。

20220312_EC.jpg
(出所:経済産業省)

しかし、その流れにも変化の兆しが見え始めており、宅配便の取扱量の伸びが2021年秋から鈍化しています。

それまでは毎月、前年比で10%以上の伸びを見せていたわけですが、2021年の後半から10%を割り込んできました。

コロナ疲れ、あるいはコロナ慣れによりいよいよアフターコロナが意識され始め、従来型の消費行動に回帰しつつあると考えられます。

政府は今だにマンボーなどと言っておりますが世界の潮流から完全に取り残されつつあるといってよいと思います。

新型コロナの死亡率は着実に下降しており、もはやちょっと強度の風邪、インフルエンザレベルといえます。

20220312corona.jpg
(出所:社会実情データ図録)

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物流型リートの値動き


ところで物流型リートの投資口価格の推移はどうなっているでしょうか。

小生が保有する優秀な?物流リートを確認してみました。

●CREロジスティクスファンド
20220312_CRE.jpg

見事に市況の変化をとらえた投資口価格の推移となっています。とはいえ、リートでキャピタルゲインなど求めておりませんので、売却することなどは毛頭考えていないのですが・・・。

同じ物流施設でも環境による変化が


電子商取引、そして物流施設を取り巻く環境にも変化が見られます。

ネット通販の競争は激化し、配送のスピードアップが求められているのはご承知のとおりです。

そのために求められる物流施設の条件として住宅のなるべく近くに立地していることが重要視されるようになってきました。

従来は高速道路や幹線道路沿いなど、交通の便のよい場所の巨大な物流施設が主役だったわけですが、主役の座が変わりつつあります。

今後は小さくてもよいから、なるべく住宅密集地に近い物流施設のニーズが高まっていくものと考えられます。

もはや物流型リートならなんでもOKという時期は過ぎました。

今後は物流施設の規模よりも立地に注目した投資スタンスが必要となってきています。

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