金融情勢の変化でJリートの選別基準が変わった!

ビル

世界的なインフレ傾向、そしてロシアのウクライナ侵略と金融市場を取り巻く環境は激変しています。

金利の上昇傾向がJリートにも逆風となり、市場は弱含み・・・。

このような情勢の中で、Jリートの選別基準が今までとは大きく変わってきています。これは今後のJリート投資において念頭に置いておくべきだといえます。






Jリート投資の着眼点が変わる


2022年に入り、アメリカの利上げ観測からJリートの利回りの魅力も相対的に減退し、投資口価格が冴えません。

このような環境下、Jリートの選別において、従来の成長期待による分配金上昇を期待した銘柄選びから、資産の割安感に着目した投資へとシフトが起きています。

具体的な指標は「NAV倍率(※)」です。

NAV倍率は数値が小さいほど、不動産本来が持つ資産価値よりも、市場で取引される投資口価格が割安であることを示します。

株式投資をしている人ならPBRとほぼ同じ概念とお伝えすれば理解が早いでしょう。

(※)NAV倍率
不動産の時価に基づく不動産投資法人の純資産価格をNAV(Net Asset Value)といい、さらに投資口価格を投資口数1口あたりのNAVで割ったものをNAV倍率という。株式投資におけるPBRの概念に近い。NAV倍率が1倍を超えると不動産投信の実際の価値よりも市場での価格が高いと考えることができる。


NAV倍率が低い銘柄


NAV倍率が低い銘柄を上位10銘柄ピックアップしてみました。ただし、利回りが極端に低くなっているホテル系Jリートは除外しています。

                 予想利回り(%)NAV倍率(倍)
8987 ジャパンエクセレント投資法人     4.46 0.78
8960 ユナイテッド・アーバン投資法人    4.94 0.79
8958 グローバル・ワン不動産投資法人    4.48 0.80
3488 ザイマックス・リート投資法人      5.93 0.82
8953 日本都市ファンド投資法人       4.89 0.84
8977 阪急阪神リート投資法人        4.10 0.86
8954 オリックス不動産投資法人       3.92 0.87
3279 アクティビア・プロパティーズ投資法人 4.75 0.87
3309 積水ハウス・リート投資法人      4.54 0.87
3295 ヒューリックリート投資法人      4.76 0.88

5%以上の予想分配金利回りが狙えて、NAV倍率が低いのはザイマックス・リート投資法人のみ。この辺りが狙い目だと思います。

安全パイを狙うなら利回りが低くても知名度が高い銘柄となります。金融機関はそういう銘柄しか買ってこないでしょう。

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2022年、Jリート下げの主役


ところで、2022年に入ってからのJリートの下げはきつい。いったい誰が売っているのでしょうか。

20220313reit.jpg

売りの主役はどうやら銀行を中心とした金融機関のようです。

金利上昇で債券価格が下落し損切りを迫られた銀行が、利益の出ているJリートを売却して穴埋めをしたり、Jリートの下げそのもので、ロスカットの売りを出さざるをえなかったというのが実態です。

その結果、Jリートは値を崩したというわけです。

思うに金融機関はリスク管理がしっかりとしているがゆえに、大きな損失が発生する前に投げ売りするパターンが多い。

そして、その損失を補填するために、利が乗っている銘柄を将来性など無視して売却に走るという投資行動が目立ちます。

いかにもサラリーマン的な投資行動であり、こういったら何ですが夢がない。

今後のJリート投資戦略


さて今後のJリートの動向をどう考えればよいのでしょうか。

Jリートの価格を動かす主役は金融機関、そして外国人投資家であろうと思われます。金融機関は3月末が決算。

決算が過ぎると新たな年度の投資枠がスタートします。

金融機関にとってJリートは為替リスクなしで高い利回りが狙える数少ない金融商品です。そのため、今後も買ってくるはず。そうせざるを得ないのです。

そう考えると金融機関の動きが止まりやすい3月は個人投資家にとっては安く仕込めるチャンスだと考えられます。

ウクライナ情勢は予断を許しませんが突っ込んだところは買いを入れていくチャンスだと思います。

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