所得が1000万以上なのにゆとりがなくて国民年金保険料が払えない???

森

日本は貧困化が進んでいるがゆえに国民年金保険料の支払いがままならない人が多いことは悲しい事実です。

ところで、所得が1000万以上あれば上流階級であることは疑いようがない。

しかし、1000万円以上の所得があっても生活が苦しくて国民年金保険料が払えない人がかなりの数いるといいます。いくらなんでもそれはおかしいのではないでしょうか。






日本の所得別世帯分布


以下は2019年の世帯別の所得金額の分布を示しています。

20220320syotoku.jpg
(出所:厚生労働省)

平均で552万円、より実態に近い中央値では437万円となっています。

1000万円以上の世帯の割合は少なく、全体の約12%としかありません。世帯所得が1000万円以上であれば高所得者層に入ると考えてよいでしょう。

ところが所得1000万円以上でも国民年金保険料を納めていない人が相当数いるというのですから驚かされます。

会社勤めの人であれば、会社と折半で厚生年金保険料を納めていると思いますので、そんなことはまずないでしょう。

そう考えれば、年金未納者は自営業者などが多いものと推測できます。

高額所得者でも国民年金保険料未払!?


それにしてもなぜ高額所得者なのに国民年金保険料を支払えない、あるいは支払わないのでしょうか。

その理由にさらに驚かされるのです。

所得が200万円未満の人の理由は、生活にゆとりがないことが72.7%を占めています。国民年金保険料を支払えるだけの余力がないということで、これは理解できます。

では、所得1000万円以上の人が国民年金保険料を支払えない理由で生活にゆとりがないという比率は何%だと思いますか?

驚くなかれ、なんと50.1%にものぼるのです。(厚生労働省の調査による)

しかし、本当にそうなのでしょうか。にわかに信じることはできません。

単に贅沢がすぎるのでは?とか、単に支払いたくないだけなのでは?などと詮索したくなるのはしがない庶民の好奇心というものです。

「国民年金」150%トコトン活用術 [ 日向咲嗣 ]

価格:1,760円
(2022/3/20 21:05時点)



確信犯的な未払、モラルハザード


本音の理由として、老後は生活保護を受けるつもりだから国民年金保険料を支払わないという理由の人が実際にいるといいます。

そんなことが許されてよいのでしょうか。

まじめに払っている人が馬鹿らしくなるような制度はどこかおかしい。

生活保護支給額はその人が置かれた条件によって異なるわけですが、概ね15万円から20万円といったところ。

国民年金保険料は満額でも1人6.5万円であり、夫婦2人でも13万円であり、生活保護よりも劣る。

打算的で、人間としての矜持がない人は国民年金などよりも生活保護で食わしてもらったほうが、今も将来も豊に過ごせるといったところなのでしょう。

(参考)
20220320seikatuhogo.jpg
(出所:社会実情データ図録)

やはりというべきか、デフレ化政策が進んだ1990年代以降の増加が著しい。これは明らかに政策の失敗によるものです。

最後に


国民年金保険料を払わずに生活保護を当てにするなど、まともな日本人であればそんな考え方がおかしいと思うのは当たり前であるし、制度そのものがおかしいと考えるのが普通でしょう。

まじめに保険料を払ってきた人が生活保護を安易に利用する人よりも貧しいなんてことがあってよいはずがない。

だいたいがねえ、保険料満額払って月6.5万円って少なすぎるやろ(竹村健一風)。

まったくもってふざけた制度であり、時代遅れも甚だしい。

現代版の姥捨て山であり、日本は根本的に映画「楢山節考」の世界からまったく進化していないと考えられるのであります。



↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村

【関連記事】
貧困老人であふれかえる日本の将来。政府は早く路線変更を!
国民年金に見る世代間闘争。じいさんばあさん恵まれすぎ
最近やたらと年金の繰下げ受給の記事が目立つがホントにお得なのか
定年後の再雇用はみじめなもの。ほとんど姥捨て山状態・・・
退職金制度を理解していないと思わぬ貧困老人やホームレスになりかねない
確定拠出年金で元本確保型の運用をしてしまう残念な人たち
100万人以上が年金請求漏れ。死ぬまで気付かない恐怖
70歳までの雇用確保努力義務、いったい、いつまで働けば・・・
消費税は社会保障の財源にはもっともふさわしくない税金

楢山節考 (新潮文庫 ふー5-1 新潮文庫) [ 深沢 七郎 ]

価格:539円
(2022/3/20 21:03時点)






関連記事

コメント

非公開コメント