日本の消費は完全に買い手市場。物価の動きが如実に示す

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景気は「気」という漢字が示すとおり、気持ちの問題であり、心理的な要因によって動くことは間違いありません。

そして、バブル崩壊とその後のデフレは日本人の心の中に決定的な「トラウマ」として残ってしまいました。

このトラウマは死によってしか消え去る方法はないというのが昨今の情勢から明らかであるというのが個人的な見解なのです。






企業物価指数の急上昇


新型コロナによる供給能力低下による物不足によるインフレに、資源価格や食料価格の上昇にともなうコストプッシュ型のインフレが加わったのが昨今の状況です。

それに加えてウクライナ戦争・・・。世界はインフレの三重苦にあえいでいるといえます。

しかし、日本においてはその様相が若干世界と異なるのです。それは世界的に見れば異様と思わざるを得ない。

さすがに日本でも物価の上昇は見られます。とりわけわかりやすいのが、企業物価指数の動きです。

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(出所:日本銀行)

2020年後半からの上昇は著しい。

企業は個人に比べて論理的な根拠によって動くため、値上げに対して理解を示しやすい傾向にあります。したがって、資源価格や食料の値段の上昇の価格転嫁を受け入れやすい。

また、こう言ってはなんですがサラリーマンは会社の金などしょせん他人の金だと思っているからかもしれません。

企業と個人の論理は違う


ところが個人となるとそうはいかない。

デフレのトラウマにはまっている日本人は値上げに対して異常なまでに拒否感を示します。

とはいっても資源や食料など、比較的情報が行きわたっている物の値上げについては個人もある程度寛容といえます。

それがなければ生きていけないのですから、業者も強気になりやすいと考えられます。

しかし、そのツケは他の商品に回ってきてしまうのが今の日本なのです。これが他国とは決定的に異なります。

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個人消費はまるでシーソーのよう


以下はエネルギー、食料を除いた消費者物価指数(コアコアCPI)の推移です。

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(出所:ニッポンの数字)

なんと2020年後半から下落しています。企業物価指数とはまったく反対の動きとなっていることに驚きを禁じ得ません。

これは、生活必需品の値上がりを仕方なく受け入れる一方、他の嗜好品や耐久消費財の値上げは受け入れないといえます。

要するに出費額の総額が変わらないのです。これは物価が上昇しても賃金は上昇しないという実態があるからにほかなりません。

以下は実質賃金の前年比推移です。

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(出所:ニッポンの数字)

インフレ傾向にもかかわらず、賃金の上昇が見られない。

これは他国の傾向と比較すると異常であることがわかります。

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(出所:全労連)

デフレと関西人


ところで話は変わりますが、関西では維新の会の政治勢力が異様に高い。本部が大阪にあるのですから当たり前といえば当たり前ですが、東京では受け入れがたいものがあります。

これは大阪の「値切り」文化と関連があるというのが個人的仮定です。

日本には政党が数多くあれど、現状、規制緩和による成長戦略を主張しているのは維新の会だけだといえます。

そして、規制緩和がもたらすものは競争激化による物やサービスの値下がりです。

しかし、デフレ期に規制緩和を進めることは、御法度というのが昨今の経済学の常識です。インフレ期に行うべきことであり、維新の会はまったく経済学がわかっていないといえます。

その維新の会をもろ手を挙げて支持する関西人は合成の誤謬という罠から抜け出す解決策を持っているのは政府だけだということを理解していない人の割合が多いといえそうです。

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