複雑怪奇な政策が実現するときは官僚が政治家を手玉にとっている

はてな

物価が高騰してインフレになっているというのは一部の商品だけであり、イメージ先行ではないかと消費者物価指数を見て疑問に思うのです。

少なくともウクライナ戦争以前はそんな調子だったのです。

世界的な物価上昇の中にあって、日本は依然として物価下落圧力が強い。そのため、日銀は金融緩和を続けざるを得ず、欧米との金利差が開いて円安になる。

そして、多くの工場が海外に移転してしまった現在では円安は従来ほど日本にメリットをもたらさなくなってきています。

日銀はほとほと困り果てているのではないでしょうか。政府の無策ぶりは目に余ります。






物価上昇の錯覚


以下は直近2022年2月の消費者物価指数です。

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(出所:総務省)

2020年を100として比較しています。さすがに総合指数は2022年2月に100.7に上昇しているわけですが、生鮮食品とエネルギーを除けば99.2とむしろ物価は下落しています。

物価上昇のほとんどの要因はエネルギーが占めていると考えられます。

以下はエネルギーの価格推移です。

20220404energy.jpg
(出所:ニッポンの数字)

スマホ料金爆下げ


それにしても驚くのは日本の情報通信費が2021年にガクッと下がっていることです。これは菅前政権による携帯料金値下げ圧力によるものに違いない。

20220404sumaho.jpg
(出所:ニッポンの数字)

いまや日本のスマホ料金は世界的に見ても格安水準にまで低下しました。やればできる!

デフレ銘柄の復活


しっかし、やはり日本はデフレマインドが強い。

それは株価に如実に反映されています。

ロシアによるウクライナ侵攻後、消費関連銘柄の中でも堅調なのはいわゆるデフレ銘柄です。

具体的には100円ショップ銘柄やPPIH(旧ドン・キホーテHD)などです。

世界は物価上昇以上に賃金上昇がみられるのに対し、日本は物価が上昇しても賃金が上がらない。これはデフレが骨の髄まで染みわたってしまった影響だと考えられます。

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丸め込まれる政治家


このような体たらくを打破するのは政治家の強いリーダーシップしかないのですが、それも見られない。

官僚主導に物事が進められており、政治家は丸め込まれていると見てよい。

それは昨今の政策を見ればよくわかります。

財務官僚は予算を絞りたくてしかたがない。そのため、国民救済のための政策もなるべく規模を小さくしようという圧力がかかります。

すると何が起こるか。

政策がやたらと複雑怪奇なものとなるのです。条件をやたらと厳しくしたり、細かくしたりして予算規模を小さくする。

以下の討論番組を見ると日本の将来に失望するほかないし、財務省のあまりの薄情ぶりに頭に血がのぼります。



官僚主導の政策は複雑怪奇


賃上げすると法人税が減税となる賃上げ税制も常人には理解しがたいほどに複雑な建て付けです。

そして予算規模は1000億円程度で話になりません。

GoToトラベルも平日と休日と割引率を変えようとするなど、予算をカットしようとする力が働いています。

制度がやたらと複雑怪奇になっている場合は、官僚主導であり、政治家は馬鹿にされていると見て間違いない。政治家はそんな複雑な制度を考えるほど暇ではないからです。

ずる賢い官僚が政治家を手の上で転がしているのが目に浮かぶようです。

そして、今の岸田政権はまさにそんな感じなのです。期待できません。

読売新聞の調査では岸田内閣の支持率が59%だとか。信じがたい数字です。日本人の頭はどうかしているのではないでしょうか。

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