アメリカの経営者は有能で日本の経営者は無能なのか

会議室

菅前政権において重用されたデービッド・アトキンソン氏によれば、アメリカは労働者の質が悪いのに、高い生産性を生み出しているのは経営者が有能だからだそうです。

アメリカの労働者にはずいぶんと失礼な考え方だと思えますが本当にそうなのでしょうか。

ご承知のとおり、アメリカは経営者と労働者の所得格差が著しく高い。これが経営者の有能さに起因するのか・・・。

ベストセラーとなった『21世紀の資本』で有名なフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏は違った見方をしています。






富める者と貧しき者の分断


高所得国の中でもアメリカはひときわ貧富の差が激しい。

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(出所:社会実情データ図録)

そしてその傾向は右肩上がりで高まっています。

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(出所:社会実情データ図録)

所得階層別の所得推移を見ると金持ちはますます金持ちになっている一方で、低所得者層は横ばいを続けており、まったく経済成長の恩恵にあずかっていません。

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(出所:国立社会保障・人口問題研究所)

これには何か原因があるはずです。

金持ちのための税制改正


ピケティ氏はその原因をアメリカの税制に求めています。

レーガン政権(1981~1989)前、アメリカの経営者など高所得者層の所得にかかる最高税率は70%以上でしたが、レーガン政権により、一気に30%程度にまでに引き下げられました。

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(出所:財務省)

これにより、経営者は自己の利益を第一に考えることとなりました。

なにしろ同じ収入でも税金で取られる分が減り、手元に残るお金が増えるのですから自分の報酬を上げたいという動機が働くのは当たり前です。

高所得で貧富の差が少ないドイツと比較すればそれは明らかです。

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(出所:財務省)

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日本、アメリカの後を追う


レーガン政権前は高い報酬を得ていた経営者の手取りは額面の3割以下でした。それが一気に7割以上に跳ね上がったのです。

ところで近年、日本も所得格差が広がっているのは周知の事実です。

その原因はアメリカと同じであるといってよいのではなかろうか。なぜならば日本の所得税率の推移はアメリカの後を追うかのようだからです。

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(出所:財務省)

最後に


日本の動きはアメリカから10年から15年遅れて同期するといった感じです。

となれば今後の日本はますます格差が拡大し、平均寿命の頭打ち(または低下)が起こる一方、株価は堅調に推移するというおぞましい未来が見えてきます。

そして、アメリカの経営者が必ずしも有能であるとはいえず、単なる税制による金儲けへの貪欲さが増しただけだといえるのではないでしょうか。

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