相変わらず切れ味鋭い中野剛志氏の指摘。矢野財務次官発言をぶった斬る

その舌鋒の鋭さは日本の言論界でナンバーワンだと思えるのが評論家の中野剛志氏なのであります。
切れ味抜群の頭脳で常識(と思われている)の嘘を見抜く能力は日本一ではなかろうか。
そんな中野氏にめった切りにされているのが、かの矢野論文を発表した矢野財務次官なのです。
犬の誤ったメッセージ
矢野論文が発表されたのは2021年10月。その内容は現在の経済学の常識から見てひどいものでありましたが、マスコミに洗脳された人にとっては耳障りのよいものだったに違いない。
日本の財政をタイタニック号にたとえ、氷山に向かって突き進んでおり、このままいけば日本は財政破綻するなどと日本人いや世界に誤ったメッセージを送ったのでした。
財務次官は日本の公僕である以上、日本の利益を考えて行動しなければならないのは当然のこと。
自ら「心あるモノいう犬」と言っているくらいだからその辺は自覚しており、日本の国債の格付けが下がり、日本経済全体に悪影響を及ぼしかねないメッセージを送ってはならないと警告しているのです。
心ある犬の矛盾、しょせんは犬
中野氏はこれに対し、モノの本質を暴き出す鋭い指摘をしています。
日本人のほとんど誰も指摘していないことですが、中野氏の指摘は以下のようなものです。
矢野氏は日本経済に悪影響を与えるメッセージを送ってはならないと主張しながら、自らが財務次官という責任ある立場にありながらそのようなメッセージを送ってしまったという矛盾を犯している。
言ってることとやっていることが論理破綻しており滅茶苦茶なのです。
矢野氏は自らを、日本の財政を預かる責任ある立場にいて、日本の財政状況をいちばんわかっていると自認している。
その責任ある立場の人が日本は危ないと言っているのだから間抜けな話だとしかいいようがありません。
![]() | 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】 [ 中野 剛志 ] 価格:1,870円 |

民間では考えられない
例えば民間企業に例えればどういうことになるのでしょうか。
銀行を例にとってみますとこんな感じです。
頭取自ら「当行は財務状況が悪化しており、タイタニック号のように氷山に向かって突き進んでいる。このままでは経営破綻するはずだ。」などといった発言をすることに例えることができます。
頭取自らがそんな発言をしたら、預金者は不安になって預金を引き出すだろうし、株価も暴落するでしょう。
矢野財務次官の論文はまさにそれを似たようなものなのです。
民間企業では考えられない愚かな行為なのでした。
投資家は見抜いている
そんな愚かな行為を、大事な資金を運用する投資家がまともに相手にするはずもない。
世界的なインフレ傾向で多少金利は上昇しているとはいえ、今だ日本の10年もの国債の利回りは0.24%程度です。
ハイパーインフレなどとは程遠く、海外に比べて金利が低いため円安が進んでいるというのが実態です。
財政破綻論者、ハイパーインフレ論者は以下のグラフをどのように説明するのか聞いてみたい。
![]() | 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】 [ 中野剛志 ] 価格:1,760円 |


(出所:三橋貴明氏ブログ)
終わりに
最後に中野氏はシャーロック・ホームズの推理小説になぞらえて矢野論文を皮肉っています。
厩舎で名馬が盗まれた事件で犯人を推理する場面です。
グレゴリー警部「そのほか何か、私の注意すべきことはないでしょうか?」
ホームズ「あの晩の、犬の不思議な行動にご注意なさるといいでしょう」
グレゴリー警部「犬は全然なにもしなかったはずですよ」
ホームズ「そこが不思議な行動だと申すのです」
ホームズ「あの晩の、犬の不思議な行動にご注意なさるといいでしょう」
グレゴリー警部「犬は全然なにもしなかったはずですよ」
ホームズ「そこが不思議な行動だと申すのです」
要するにホームズはこの盗難事件が内部の人間による犯行であると推理したわけです。これを矢野論文になぞらえて以下のように表現しています。
「そのほか何か、私の注意すべきことはないでしょうか?」
「矢野論文が出た時の、金融市場の不思議な反応に注意なさるといいでしょう」
「金融市場は全然なにも反応しなかったはずですよ」
「そこが不思議な反応だと申すのです」
「矢野論文が出た時の、金融市場の不思議な反応に注意なさるといいでしょう」
「金融市場は全然なにも反応しなかったはずですよ」
「そこが不思議な反応だと申すのです」
要するに矢野論文は誤りではないかということです。
↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村
【関連記事】
日本のカラクリがよくわかる本(奇跡の経済教室)
中野剛志氏、竹中氏ら並み居る論客をぶった斬り
正しいデフレ対策が行われないからデフレ脱却ができないのは当然
賢明な支出を訴える愚鈍なマスメディア。財務事務次官発言を受けて
大規模増税ができないならステルス増税だ。財務省の巧妙さ
ステルス増税で税収アップ。寝耳に水のような愚民化政策
![]() | 全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】 [ 中野剛志 ] 価格:1,870円 |

- 関連記事
-
-
【朗報】サムスン、中国のパソコン工場閉鎖へ 2020/08/10
-
財務省のポチ。日本経済新聞の大プロパガンダ最終回 2021/05/15
-
日本の憲法改正のハードルは特別に高いのか? 2019/05/18
-
IMF、世界経済見通しを下方修正へ 2018/10/18
-
リフレ派は結局財務省に利用され、緊縮財政と増税が加速 2019/08/28
-
コメント