冴えない相場の中、Jリートが相対的に有利な展開に・・・

感覚的に言って、今のJリート市場が好調であるとも思えません。しかし、他の資産の値動きが不調なため、相対的には好調というのが現状のJリート市場です。
Jリートが他の資産に比べて堅調を維持しているのはいくつかの要因があります。
Jリートが堅調!?そう感じないが・・・
2022年4月29日(金)のNY市場は一時1000ドル超安を記録し、終値でも939ドル安と大幅安となりました。
アマゾンの決算が悪かったことで失望売りが出たなどと報じられていますが、やはり根っこにあるのは金利上昇懸念でしょう。
下がるべくして下げているといった印象です。
金利の上昇はリートにとってもマイナス材料ということで、アメリカのリート市場もまた軟調です。
そんな中、意外と堅調なのがJリート市場だというのですからちょっと意外なのでした。まったくそんな印象を持っていなかったからです。
単に他がダメなだけ
Jリートが堅調といっても上昇基調にあるわけではありません。以下は東証リート指数の値動きです。

ただ単に、株式が軟調な中でJリートは値を保っているということです。
なぜJリートが下がらないかといえば、日本経済は未だに弱く、利上げできるような状態にないことに尽きます。
安全資産である国債の利回りが欧米ほど上がらないので、Jリートの魅力が薄まらないといった理由です。喜んでいいものか微妙な心境です。
政府の経済運営が的を射ておらず、国民貧困化政策を推し進めているために金利が上昇しないのですから。
ある人が面白いことを言っていました。日本政府は日本国民に対する経済制裁をやめろと。デフレ下での消費増税などが典型例でしょう。言い得て妙だといえるでしょう。
円安も追い風に
外国為替市場における円安もJリートにとって追い風となっています。海外の投資家にとって、円安は日本を安く買えることにほかならない。
事実、2022年3月における海外投資家のJリート買い越し額は1年ぶりの規模となりました。
個人的見解ですが、130円を超える円安はオーバーシュートであり、いずれ反動が来ると思います。円高になれば為替差益も得られるという思惑も働いているのではないでしょうか。
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Jリートの懸念材料
Jリートの懸念材料としては2023年のオフィス過剰供給問題が挙げられます。
ただでさえテレワークによりオフィス需要が低迷しているのに、オフィスの供給が増えるのですから賃料が値崩れを起こす可能性が高い。
2023年に新規供給されるオフィス面積はコロナ前の水準を大きく上回ります。
オフィスは買い手市場になることは間違いなく、オフィス系Jリートは来年以降も苦しい展開が続くものと予想されます。
最後に
コロナ禍も終焉が意識されるようになってまいりました。
なにしろ、ホテル型Jリートに注目が集まってきており、持たざるリスクが意識され始めたというのですから、ちょっとしたコペルニクス的転回です。
しかしながら、日本経済が復活しない間はJリートの堅調が続きそうだという、なんとも歪で微妙な市場構造が出来上がっており、もろ手を挙げて喜んでいる場合でもございません。
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