仕事にやりがいなし。これでは株価も上昇しない・・・

オフィス

働き方改革によって、労働者の労働環境は一応改善されたことになっている。なぜ一応なのか?

労働環境が改善されれば仕事への意欲も湧こうというもの。それが普通でしょう。しかし、その普通が日本では起こらない。

いったいなぜ?という疑問が湧いてきますし、株価への影響も懸念してしまいます。






労働環境は良くなっているはずだが・・・


2010年代半ばから「働き方改革」などと盛んに言われ出し、残業時間がうるさく管理され出したり、ノー残業デーなどができたりした会社が多いはずです。

また、有給の消化率が低いと逆に注意されたりするのです。休みたくなくても休めっていうのはいささかおかしいのではないでしょうか。

以下は日本人の労働時間の長期推移です。

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(出所:社会実情データ図録)

確かに労働時間は短くなっています。

有給休暇の取得率もここ数年で一気に上昇していることがわかります。

20220503yuukyuu.jpg
(出所:厚生労働省)

1人あたりの労働時間は2016年比で100時間も減少しています。

しかし、働く人の労働意欲はいっこうに向上していないという摩訶不思議な現象が起きているのです。

社員のやりがいは世界最下位をひた走る


アメリカの調査会社が世界のグローバル企業に実施したアンケートで、働きがいを感じる社員の割合が日本では56%となっており、調査を実施した23か国の中で最下位だというのです。

しかも6年連続の最下位です。世界平均を10%ほども下回っているのです。グローバル企業なのですから、例外的なブラック企業ではないと思われます。

それなのに6年連続で23か国中23位って、いったいどうなっているのでしょうか???

これにはいくつかの要因が考えられます。要因は一つではなく、複合的なものが絡まりあっている可能性が高いと考えます。

仮説としての要因を考えてみたいと思います。

(仮説1)そもそも残業時間は減っていないのでは?


データ的には残業時間は着実に減っています。しかし、実態はどうなのかわかったものではありません。

単に社員が過小申告しているだけかもしれない。サービス残業の常態化が発生している可能性もあります。

とりわけテレワークが多くなってきている中、どこまでが就業時間かの判別があやふやとなりがちです。そもそも残業時間が減少しているというデータが嘘である可能性は否定できません。

また残業時間が減れば収入は減少しますから、生活が苦しくなるという側面もあるのは明らかです。

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(仮説2)短時間激務による疲労困憊


とにかく残業を減らせというプレッシャーが強い。これはある種経営者にとっては都合がよいといえます。余計な残業代を払わなくていいし、その分利益が増えるからです。

とにかく時間内になんとか仕事をこなせってわけで、短時間に激務をこなさざるを得ない。

強制的な短時間労働という、いわば逆強制労働ともいえる疲労が蓄積している可能性があります。

(仮説3)納得いく仕事ができない不満


日本人は職人気質であり、仕事は細部までこだわる人が多い。もちろん良い意味です。いい加減な仕事はしたくないという人が多いのは日本の鉄道が正確な時間通りに動いていることが象徴的でしょう。

納得いく仕事をするためには時間的な制約は邪魔になります。

ぴかぴかに仕上げなければ満足感が得られないのに、時間が来たからとっとと帰れといった会社の態度は社員のやる気も失わせるというものです。

(仮説4)働き方改革とは相関なしの別問題


そもそも、働き方改革と仕事のやりがいを結び付けて考えること自体が誤りの可能性があります。

以下は一昔前の仕事の満足度の項目別推移です。

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(出所:厚生労働省)

仕事のやりがいはここ最近下がったわけではなく、1980年代半ばから減少しています。

ともに下がっているのは雇用の安定や収入の増加。

バブル崩壊で、「リストラ」という言葉が定着したのは1990年代の前半です。解雇の恐怖に怯えながら仕事をしていてやりがいを感じるはずもありません。

またデフレで給与も下がる一方・・・。

雇用の不安定化と給与の伸び鈍化または減少が仕事のやりがいを奪ったと考えられます。

また、日本的な人間関係が若者を中心に仕事のやりがいを奪っている可能性もあります。

高齢化が進む中で権限の委譲が進まなければいつまでも他人の指示に従わざるを得ず、仕事の任され感がない。ある程度の権限がなければ仕事に面白みを感じないのは間違いないと思います。

儒教的人間関係が通常である日本では年配に配慮しなければならないのが一般的。でもそれはあくまで表面的なものであり、心の中では軽蔑しているのではなかろうか。そしてやる気は失せるってなわけです。

最後に


仮説を並べ立てたわけですが、何が正しいかはわかりません。人それぞれに考え方は違うでしょう。

しかしながら懸念材料があります。

社員の働きがいは企業業績に直結するという問題があるからです。

やりがいを感じる社員の比率が高い企業ほど売上が伸びているという現実があります。逆に売上が伸びるからやりがいを感じるという面もあるでしょう。

どちらにせよ、社員がやりがいを感じない企業の業績は停滞し、株価も下落する可能性が高い。株価の騰落は社員のやる気を表すバロメーターともいえますから、株価の低い企業の経営者はやはり無能であると言わざるを得ません。

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