悪い円安で日本復活の芽。30年前からの逆回転へ

2022年3月以降、円安が一気に加速しているのはご存じのとおりです。
今までですと、円安は輸出企業の採算を好転させて株価が上昇するという流れを連想させ、好材料とみなされていました。
しかし、今回は悪い円安などと呼ばれて円安がさも悪者のように扱われています。今回の円安はなにか特別なのでしょうか。そして将来何が起こるのでしょうか。
円高、円安どっちがいい?
円高がよいのか、円安がよいのかは置かれた立場でまるで異なるため一概にはいえません。
企業はもちろんのこと、個人投資家レベルでもそれは当てはまります。
円安は輸入価格の上昇を通じて物価の上昇に直結します。給料が伸びない中で物価だけが上昇すれば実質的に貧しくなったに等しいから悪影響です。
一方で、外国の資産に投資していれば円安は資産価格の上昇と同じ効果を発揮するため有利に働きます。
個人レベルでも、為替変動リスクを中和するためには外国株や外国リート、外国債券などにも投資しておけばよいということになります。
円安悪玉論の理由
なぜ今回ばかり円安が悪者扱いされるのか。
個人的見解として、世界的な物価上昇時に円安となったというタイミングの悪さと変化のスピードの速さがその元凶であると考えます。
コロナ禍で世界的にモノやサービスの供給能力が落ちており、急激な需要の回復に対応しきれない。そのため、世界中でインフレ圧力が高まっています。
さらにウクライナ戦争で資源価格が上昇。そして円安が加速するとあってはさすがに心配になるのもわかります。
円高で日本の弱体化進む
しかし、この円安は長期的に見てプラスに働くという見方があります。
日本経済がここまで落ち込んだのは1985年のプラザ合意以降の円高による影響が大きい。
プラザ合意以降、急激な円高が進んで一時的に日本は実力以上に豊かになった一方、製造業は国内生産では採算が取れなくなり、海外へ工場を次々と移転し、国内の製造業は劣化していきました。
これはアメリカの策謀であったことは間違いなく、日本弱体化計画は見事なまでに成功したのでした。

(出所:世界経済のネタ帳)

(出所:国土交通省)
円高の進展が海外生産を加速させたことが上記のグラフからもよくわかります。
円安は長期的にみてプラス
しかしながら、円安を悲観することはないと確信したのは以下の動画です。
円安により、短期的には日本人の生活は苦しくなるかもしれませんが、長期的には製造業の国内回帰により日本の製造業の競争力回復が期待できます。
プラザ合意後とまったく逆の流れが起きる可能性が高いというわけです。
日本は資源がないのですから資源を輸入して付加価値を高めて海外へ輸出するほか生き残る術はありません。食料も多くを外国に依存しており危険極まりない。
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最後に
現在の状況を見れば、下手をすると第三次世界大戦が起こりかねない。そんな中ではあらゆる面で外国への依存をなるべく小さくしておく必要があるはずです。
今回のウクライナ戦争で核保有国には結局のところ他国は手出しできないことが白日の下にさらされました。
いざというときにアメリカは日本を助けるかどうかわかりません。少なくとも本気は出さないでしょう。他国を助けるために自国が潰されてはかなわないからです。
結局のところ頼りになるのは自国だけというのが国際社会の悲しい現実なのでした。
そして、日本の生産力を回復させるためには円安は望ましい。一番やっかいなのはカメレオンのように円高と円安がクルクルと入れ替わることです。
どんな対応をしたらよいかわからなくなってしまうためです。日銀には金融緩和と為替変動のコントロールという難しいかじ取りが求められています。
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