想定為替レートが円高すぎて2023年3月期の業績に上振れ期待が

2022年3月に入って加速的に円安が加速したせいか、上場企業の2023年3月期決算における想定為替レートが現状と大きく乖離しています。
企業ごとに違いはあれど、製造業の中には思わぬ為替差益で2023年3月期の業績が大きく上振れる会社が出てきそうな気配です。
円安と2023年3月期の業績
2022年3月期決算における平均為替レートは1ドル112円ほどでした。
2023年3月期の想定為替レートは8割以上の企業が120円以上の円高としています。
1ドル120円と考えている企業が約4割で最も多く、115円以上の円高を想定している企業が約3割となっています。
現状の水準からは1割程度の円高で業績予想がなされている企業が多く、輸出企業においては円安が続けば思わぬ円安メリットで業績上方修正という可能性が十分に考えられます。
製造業は海外に逃げてしまった
もっとも、超円高時代を生き延びるために、多くの企業は海外への工場移転を進めてきたため、製造業でも円安の恩恵を受けられる企業が少なくなっていることは間違いありません。
以下は製造業の海外生産比率の推移です。

(出所:経済産業省)
自動車部品は逆輸入増加
製造業の海外生産比率の高まりにともない、自動車部品の海外からの輸入も右肩上がりで増えています。
輸入先として増えているのは中国をはじめとするアジア諸国です。

(出所:経済産業省)
安い労働力を求めてアジアに活路を求めたことは明らかです。
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為替変動悲喜こもごも
これにより円安メリットを受けられる企業も減ったことは間違いありません。
しかし、企業によって置かれる状況は大きく異なることにも注意が必要でしょう。同じ自動車メーカーですら大きな違いがあります。
例えば、ホンダは1円の円安で120億円の増益要因となる一方、マツダはなんと3億円の減益要因となるといいます。
自動車メーカーですら、単純に円安=増益の構図が成り立たなくなっていることに驚かされます。
最後に
企業の為替予想はいささか保守的であると見てよさそうです。
アメリカは今後も利上げを重ねていくことが予想され、日本との金利差はさらに広がると考えられます。
当面この状況に変化があるとも思えず、円安はしばらく継続しそうな気配です。
製造業の円安メリットは減ったとはいえ、企業によってはまだまだ十分にメリットを受けられるはず。
製造業で円安メリットを受けられる企業で想定為替レートを120円以上の円高と見積もっている企業は業績上振れを期待でき、当然ながら株価の上昇も期待できる。
時間がなくて具体的な銘柄までは調べられませんがまたの機会に調べてみたいと思います。また来てね~!
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