マンションは管理が命。ずさんな管理で資産価値激減

日本人の1割以上が分譲マンションに住んでいるといいます。
戸数でいうと約700万戸に達します。平野が少ない日本で大勢の人間が暮らしていくにはマンションは合理的だといえます。
しかし、一方で築年数が古い老朽マンションが増えていることが問題となっています。ずさんな管理ではマンションのスラム化が避けられません。
当然、資産価値は激減です。そうならないためにはいったいどうすればよいのでしょうか。
マンションのスラム化リスク
さすがに増加数は鈍ってきてはおりますが、人口が減少している中でもマンションの戸数はいまだ増え続けています。

(出所:国土交通省)
そして、マンションの老朽化も確実に進んでいます。今から20年後には半分以上のマンションが築40年以上の老朽マンションになってしまうと推計されています。

(出所:国土交通省)
マンションの老朽化は住人の高齢化とともに進む。そして、住人が亡くなればマンションの空室率が増加します。
管理費や修繕積立金が予定どおりに集まらず、管理ができなくなったり、必要な修繕ができなくなってマンションのスラム化が進むリスクが高まります。
マンションの建替えはハードルが高い
古くなったら建て替えればよいといっても現実論としては難しい。
空室が増えれば、誰がいったい所有しているのかすらわからなくなってしまうケースも増えるでしょう。
また高齢者にとって、長年住み慣れたマンションを建て替えるのは肉体的にも精神的にも厳しいものがあります。
建て替えは少しずつ増えてはいますが、マンション数からすればスズメの涙レベルしか実施されていないのが実態です。

(出所:国土交通省)
デフレでマンションに対する考え方が変わった
マンションに関する日本人の考え方で興味深いデータがあります。
一昔前、マンションは夢の一戸建てへのステップだと考えられていたといえます。しかし、近年ではマンションを終の棲家としたいという人の割合が確実に増えています。

(出所:住宅金融支援機構)
長引くデフレで、一戸建てへの夢はもろくも消え去ったといえるのではないでしょうか。
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新たな評価制度が始まる
ところで、マンションの管理が適切に行われているかどうかを数値的に評価する仕組みが2022年4月からスタートしました。
一つは「管理計画認定制度」、もう一つが「マンション管理適正評価制度」です。
前者は地方自治体による評価、後者はマンション管理会社の業界団体による評価となっています。
今まで、マンションの管理を質的に評価する制度はなく、中古マンションなどを購入する際に比較するのが難しかったわけですが、今後は定量的な評価が可能となっていくでしょう。
当然、管理の質が全体的に向上していくことが期待されます。
なにしろ国土交通省が2018年に行った調査では、修繕積立金が計画どおりに積み立てられていないマンションは約35%にも上ります。
これでは修繕計画も絵に描いた餅に終わってしまうでしょう。
販売ありきからの転換
従来、マンション販売会社はまず販売ありきという姿勢でした。
そのため、新築分譲の際には修繕積立金の額を低めに設定しておくケースが多かった。
しかし、それでは将来的に困ることは目に見えていることが最近よく知られることとなったため、近頃の新規分譲マンションでは修繕積立金を当初から高めに設定することが多くなりました。
子どもの学費などの負担が重くなってくるような時期に修繕積立金の値上げなどがあったらますます苦境に陥る可能性が高い。騙された気分にもなるし、払えなくなってしまう可能性すらあります。
それだったら最初から正直にいこうということです。
最後に
狭い日本ではマンションが合理的住まいであることは間違いありません。とりわけ東京圏ではなおさらです。
コロナ禍のテレワークで若干緩和されたとはいえ、東京の昼間の人口はすさまじいものがあります。

(出所:社会実情データ図録)
愛着あるマンションに長く住み続けるには適正な管理が欠かせない。
その管理を評価する制度ができたことは、マンション業界にとって大きな前進だといえるのではないでしょうか。
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